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アルゼンチンに3発敗戦も「まだ終わってない」…U-17日本代表MF佐藤龍之介(FC東京)は前を向き、第3戦セネガル戦へ

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U-17日本代表MF佐藤龍之介(FC東京)

[11.14 U-17W杯GL第2節 U-17日本 1-3 U-17アルゼンチン]

 U-17ワールドカップ第2戦、A代表が世界王者になった記憶も新しいアルゼンチンを相手にした一戦で、MF佐藤龍之介(FC東京)は日本の10番を背負い、気迫のこもったプレーを見せ続けた。

 記録した走行距離は両チーム通じて最も長い13.23kmと、驚異の13km超え。さらにスプリント数、守備的プレス数といった“走り”のデータでも軒並み1位を記録している。ボールを持っても効果的なプレーを何度も見せたが、勝利に繋げることはできなかった。

「前半はポーランド戦同様というか、相手の圧力に負けているところがあった」と振り返ったように、悔いが残るのは前半の内容だろう。佐藤自身も良い位置でボールを受ける回数が少なく、守備に追われることとなった。その中で自身の特長である守備貢献度の高さは確かに見せていたが、本人が満足できるような試合内容ではない。

「ハーフタイムでは監督含めて『もっと楽しもうよ』『ワールドカップでアルゼンチンとやれるなんて最高じゃん』という話をして、後半は気持ちの面で吹っ切れて戦えた」

 全員のベクトルが揃ってなかった前半とは異なり、後半は全員がまず相手ゴールを目指すプレーで意思統一し早々に1点を返すと、激しく守備にいく部分でもしっかり連動し、アルゼンチンを上回る内容まで持っていった。佐藤も右SB柴田翔太郎(川崎フロンターレU-18)との連係からペナルティエリア内まで行くシーンも作ったが、「そこでの精度が足りなかった」とゴールには至らず。

 そして最後はアディショナルタイム、「自分のスルーでのミス」(佐藤)からボールを奪われてのカウンターから失点。「軽率なプレーでした」と猛省するワンプレーから生まれたゴールで試合は決まってしまった。

 ただ、まだ日本の敗退が決まったわけではない。「ボールを持って前進していく部分では普段通りのプレーが出せたので、これは良い材料としてセネガル戦へ持っていきたい」とした上で、「まだ終わってないですし、次勝てばいいだけだという話はみんなとしている。前向きに取り組むだけです」と、セネガルとの対戦となる第3戦へ向け、すでに気持ちは切り替えていた。

(取材・文 川端暁彦)
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川端暁彦
Text by 川端暁彦

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