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代表でもブンデス2部でも得点続いたMF田中碧「亨梧くんのゴールを見ていても…」FWからも学ぶ向上心

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MF田中碧(デュッセルドルフ)

 9月シリーズのドイツ戦(○4-1)では完勝劇を仕上げるダメ押しゴール、10月シリーズのカナダ戦(○4-1)では初の2ゴールと日本代表で得点が続いているMF田中碧(デュッセルドルフ)だが、前回の代表活動明けの2試合では今季初ゴールを含む3得点を記録するなど、所属クラブでも結果に関わるパフォーマンスを発揮している。

 ブンデスリーガ2部でもようやく開花を迎えた得点力は、これまでの取り組みの成果だという。「継続することが大事だし、得点以外もそうだし、得点もそうだし、より自分の中で考えてやる量が増えたと思う。いろいろ工夫しながらやった結果、得点が取れている」。代表活動の練習時にはかつてFW古橋亨梧(セルティック)からシュートの教えを乞う姿も見られたが、ただ直接聞くだけでなく、映像でも学びを深めてきたようだ。

「例えば亨梧くんのゴールを見ていても、どう取っているのかを見たら、自分の中で要所でこういうことをしているなというのが得られる。そういうのを見て、こうしてみようああしてみようとか。それは亨梧くんみたいなゴールだけでなく、ミドルで決めるのもそう」。そんな田中はフィニッシュに関わる動きを「相手ありきじゃない部分が多い」と捉えているようで、

「例えばドリブルを成長させるとなった時は相手との駆け引き、兼ね合いがあるけど、シュートを決めるというのはミドルシュートもワンタッチゴールも自分で操作できるところが多いと思っている。いろんな選手のゴールを見たり、それでどういうふうに走ったり、どのタイミングで走ったり、どこにいるのかとか、ミドル一つ取ってもどう打つのかとかもある。そういうものの回数とか質は、自分で映像を振り返っていても、これだけ行っているからこうボールが来るとか、このタイミングでこのスピードで入っているから決められるとか考えられるようになっている。それを継続していきたい」

 トップレベルのボランチには得点力も求められるのが現代サッカー。「(三笘)薫さんとかタケ(久保建英)みたいにカットインしてシュートというのはあまりないけど、いろんなところから自分でゴールを決められるようになりたい」という意識で、スキルを磨き上げていこうとしているようだ。

 もっとも田中は得点への意識に言及するたびに「でもそれだけじゃない」という姿勢を毎度のように強調する。この日も「それだけが僕の仕事じゃない。全部成長していかないといけない」「取れる分には取らないといけないし、取るために工夫している部分もあるけど、そこだけじゃない」と力説。その上で「点を取ったからOKじゃないし、取らなくて他が良かったからOKじゃないのも感じるので、自分が求めているものを全て出すまで満足できない人生だと思う」とレベルアップの必要性に駆られていた。

 そうした向上心こそが、田中を日本代表のステージにまで引き上げ、W杯でゴールを奪うほどの選手に導いてきたのだろうと言える。その姿勢は格下相手のW杯2次予選であっても変わらない。16日のミャンマー戦に向けても「チームが勝つことが一番大事。もちろんそこで点とかアシストもできればいいけど、スコアの差がついた時にみんな点を取りたくなると思うので、リスクは生まれると思う。失点をしないのも大事なので、両方を求めてやれればと思う」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
竹内達也
Text by 竹内達也

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