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J1デビューから半年弱でアジア杯メンバー入り、野澤大志ブランドン「全部を高水準でこなせる自信はある」

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日本代表GK野澤大志ブランドン

 置かれる立場の変化をしっかりと受け止めている。ここ半年弱で自身のサッカー人生の大きな転換期に突入しているパリ五輪世代の日本代表GK野澤大志ブランドン(FC東京)が、アジア杯メンバーに選ばれたときの心境についてあらためて言及した。

「驚きもありましたし、同時に嬉しさもあった。自分がそういった立場にいるということを再認識して、目指すものの場所が現実的に変わってきているんだろうなと感じたので、自信を持って取り組みたいと感じました」

 昨年8月6日のJ1デビューを境に、同年9月にはパリ五輪アジア1次予選を兼ねたU23アジア杯予選に臨むU-22日本代表メンバーに招集され、昨年末には元日のタイ戦に臨むA代表にも初招集された。そして、アジア杯の登録メンバー入り。今はドーハでの合宿の日々を「自分の成長のための期間でもあるし、同時に代表選手としての責任もある。メンバー全員で優勝を取りに行かなければいけないと思っています」という思いで過ごしている。

 具体的には「キーパーのサポートもそうですし、自分がいつでも出られるような振る舞いも大切にしたい」という。タイ戦前の国内合宿では左手首を痛めて練習を1日休んでいたが、「もう大丈夫です」とキッパリ。「(タイ戦前は)少し無理したかもしれないですが、でも、痛みながらやるのも普通なので」と語るように、A代表というビッグチャンスを手にする意気込みは大きい。

 カタールでは欧州のトップリーグで活躍するA代表選手たちのシュートを受けて刺激を受けつつ、「練習に最善に取り組めるような体の準備をしています。選手とのコミュニケーションは食事の会場だったりするけど、それ以外は基本的にはケアに専念しています」という。

「今、アジアカップ(の代表)に選ばれて、オリンピックも控えて、新しいシーズンも始まろうとしている中で、自分がチャレンジできる幅がもっと出てきているんじゃないかなと思う」。上昇階段を歩む野澤が考えているのは「一つひとつの瞬間を無駄にしないこと。100%取り組めるような心の準備」だ。

「キーパーは今の時代、どんなことでもできなければいけないと思う。全部を高水準でこなせる自信はあるし、最後のところのシュートを止める部分でも自信があります」。身長193cm、舞台俳優のような凛々しい存在感を持つ21歳はカタールの地でもうひと回り大きく成長していきそうだ。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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