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ベトナム戦先発の可能性も…A代表でも異質な長所持つ細谷真大「そこで一発決めたい」

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日本代表FW細谷真大(柏)

 A代表経由パリ行き——。今夏に迫るパリ五輪を目指すチームの合言葉を体現するには、このアジアカップは格好の舞台となる。日本代表FW細谷真大(柏)は12日の練習後、報道陣の取材に応じ、「チームとしても優勝を目指しているし、自分もこうやってA代表のアジアカップに来られたけどしっかり結果を残さないとこの先も定着できない。まずはここで結果を残してしっかり定着したい」と力強く意気込んだ。

 細谷は国内組で臨んだ2021年夏のEAFF E-1選手権でA代表に初招集。その後はパリ五輪を目指す世代別代表での活動が中心だったが、昨年11月に北中米W杯アジア2次予選のメンバーに入り、初めて欧州組を交えたA代表の舞台を経験した。初戦のミャンマー戦(○5-0)では途中出場で無得点に終わったが、シリア戦(○5-0)でも継続起用されてA代表初ゴールを記録。その活躍が評価され、元日のタイ戦、そしてアジア杯への生き残りを果たした。

 4年に一度のアジア杯は自分の存在を知らしめる絶好のチャンスでもあり、4月のパリ五輪アジア予選(AFC U23アジア杯)を見据える上でも良い機会。「この先を通してもこの大会が重要になってくる。パリ五輪もあるけど、まずはここでしっかりアジアカップで優勝して、結果を残すところに目を向けて頑張りたい。その先も最終予選もあるので、やっぱり勝負強さが大事になってくるのかなと思う」と責任を背負う。

 A代表のエースには現在、ゴール前での絶対的な存在感を持つFW上田綺世が君臨しており、続いてスピードを武器とするFW浅野拓磨、FW前田大然も控えている。それでも一人でボールを持ち運べる細谷の強みは他の選手にはない武器だ。「個で持っていけるところは、自分も自信にしているし、そこで一発決めたいなと思う。周りのサポートがなくても、自分がそのまま行けるところをこの大会では少しだけでも発揮できたらいいなと思う」と力を込める。

 アジアの戦いでは相手が引いて守ってくることも想定される中、わずかなスペースを突く一瞬の動き出しも重要。「引かれた相手に対してクロスは有効になると思うので、自分も高さはない分、スピードで上回っていきたい。入り方は工夫が必要になってくる」。この活動を通じても「自分自身も動きの質を上げていきたいし、呼び込むところ、はっきり動くところは練習通して大事にやっている」と周囲に特徴を知ってもらい、少しでも自身の持ち味を活かそうとしているようだ。

 そして何より求められるのは結果だ。「チームの勝利に貢献できるような活躍を心がけてやっているので、ゴールとアシストにはこだわってやっていきたい」。9日に完全非公開で行われたヨルダン戦では先発した模様で、14日の大会初戦ベトナム戦の先発も十分にあり得る状況。細谷は「初戦は難しい部分があると思うので、そこをうまくチームとしても良い方向に持っていきたい。先制点が大事になってくると思うので、得点のところで貢献できたら」と活躍を誓った。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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