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“同い年”鈴木彩艶との共闘誓うGK野澤大志ブランドン「ライバルに見える関係かもしれないけど…」

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GK野澤大志ブランドン(FC東京)

 パリ五輪世代の守護神を争うGK野澤大志ブランドン(FC東京)にとって、アジアカップは日本代表の一員として臨む初めての公式大会。世界トップレベルで戦う選手たちと過ごす日々は大きな刺激になっているようだ。

 14日の初戦ベトナム戦はチームが思わぬ苦戦を強いられる中、ベンチで戦況を見つめた。「チームはもちろん優勝が目標なので、アジア杯に高い気持ちで初戦を迎えたけど、勝ち越される展開だったり、少しの緩みから流れを持っていかれるようなところはアジアで戦う難しさをすごく感じた」と振り返りつつも、チームの強さを感じたという。

「4-2で試合を終えたのは自分たちが準備してきたもの、自信がそういうところにつながったと思う。チームの流れはあまり良くなくて、前線から守備ができていない時間帯から、後半はあのような形でコントロールしながらできたという修正力を体感した。ここに学びに来たというのも事実ではあるけど、当たり前のことをやっていく基準がすごく高い。特にコミュニケーションでは皆さんの考えの共有がすごくスムーズだなと。よく話していると思う」

 GKという立場からは苦戦に至った反省点も学び取った。「キーパーとしてはずっと攻めている展開でワンチャンスに集中力を保つのが難しいことだと思っているし、セットプレーで2失点するのは全体の締まりが甘かったんじゃないかなと思う。僕が出るときはそこの集中力を求めていきたいし、締まりが求められるんじゃないかと思う」

 ベトナム戦でゴールを守っていたのは同じ2002年生まれのGK鈴木彩艶(シントトロイデン)。2失点目は伸ばした手からボールがこぼれ落ちる形で失点し、野澤は「ミスはほぼあれだけだったし、それが大きく(結果に関わるのは)難しいけど、試されるポジションだなとあらためて感じた」と気持ちを寄せた。その上で「彩艶選手も1試合目なので、2試合目、3試合目、どんどん良くなると信じている」と太鼓判を押していた。

 野澤はアジア杯に向けた合宿中の練習では、毎日最も早くクラブハウスからピッチに姿を見せ、入念にストレッチを行っている。「単純に怪我したくないので。バスで移動してきてすぐ練習なので、少しの時間でもストレッチに当てている」という理由だそうだが、その取り組みはピッチに立つために続けているもの。「いつ出ても大丈夫だよという振る舞いをしていきたい」と出場意欲はたやさない。

 それでも鈴木の存在に話が向くと、野澤は力強く言い切った。「僕はこのアジア杯で一緒に戦いたいと思っています。ライバルと見える関係ではあるかもしれないけど、僕は一緒に戦いたいですね」。出場機会を争うライバルでありながらも、同じ目標に向かうGKチームは協力し合うもの。野澤はそんな日々の中でトップレベルの選手たちと鍛錬を続けていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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