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初戦トップ下で躍動も左サイドで苦しんだ南野拓実「僕とタケの良さをうまく出せなかった」

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日本代表MF南野拓実(モナコ)

[1.19 アジア杯グループD第2節 日本 1-2 イラク エデュケーション]

 初戦はトップ下起用で2ゴールを挙げた日本代表MF南野拓実(モナコ)だったが、第2戦は左サイド起用で苦しい時間を過ごした。試合後、報道陣の取材に応じた南野は「ゴール前に迫っていく回数が少なかったし、単発の攻撃も多かった」と振り返った。

 この日はトップ下にMF久保建英(ソシエダ)が起用されており、中央寄りのプレーを得意とする南野と絡むことで、中央主体の攻撃も期待された一戦。ところが試合が始まると、右はMF伊東純也の突破力、左は大外をオーバーラップするDF伊藤洋輝を活かす場面が多く、中央に人数をかけた崩しは多くは見られなかった。

 南野は「僕とタケ(久保)の良さを前半はうまく出せなかったと思う」と総括。「タケがこのチームの攻撃の重要な選手なので、タケが持った時に何か助け合いながらプレーしたい意図はあった。でもそういうシーンをあまり出せなかったのは、僕ら2人だけの関係じゃなくて、チームとしてもあまりよくなかったのが課題」と反省を口にした。

 試合の立ち上がりには久保が左サイドに流れてボールを引き出し、南野が中央寄りに斜めの走りを見せる場面もあったが、それも単発に終わった。南野によると、セカンドボールを拾えない時間が続いていたこともあり、バランスの良い配置を保ちたいという意図があったようだ。

「チームの中でも決まったポジションじゃなくて自由にというのもあったけど、こういう試合展開でうまく自分たちのペースでボールを握れているという感じることが少なかった。だからこそ奪われた時のトランジションを考えると、あまりポジションを変えないほうが良いと思った。タケは真ん中でも1人でも1枚はがせる選手なので、タケが1枚はがした時にダイアゴナルの動きは意識していた。それでポジションチェンジがなかったと思う」

 そのため反省点は、安定した配置の中でも2点目を奪われたところにあった。「より自分たちがボールを長く持てる時間を増やし続けて、後半に0-1でつなげられたら良かった。シュートは少ないかもしれないけど、後半につながるような前半にもう少しできたらというのはあった」。前半終了間際は攻め急いでパスミスが続いたり、布陣を崩して前に出る場面が続いたのも悔やまれた。

 前半の2失点が響き、1-2で敗戦。「身体能力の高い相手がああやって頑張って守ってくると難しい部分はある。でもそれは分かっていたこと。試合運びの部分であまり良くなかった」。そう悔やんだ南野は「こういう雰囲気、アジアの相手に対して試合を読んでいかないといけない。僕も経験のある1人なので、チームとして中の選手が意識を共有しないといけない」と強調した。

 この日の結果でグループ首位通過の可能性は消滅。24日の最終節インドネシア戦に敗れれば屈辱のグループリーグ敗退の可能性も残っており、また突破を果たしたとしても、決勝トーナメント1回戦で韓国との対戦が有力視されるなど厳しい状況に陥っている。

 南野は「1つ言えるのは大会はすぐ次の試合が続くこと。ロッカーで下を向いている選手は1人もいない。次に向けてやるべきことをとやるだけと分かっている。サッカーなので負けることがあるのは分かっている。これをどう受け止めてつなげるかは自分たち次第」と奮起を誓った。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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