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日韓戦めぐる動向を軽妙に振り返った久保建英「実は韓国が勝ったと…」「バーレーンは正直ノーマークだった」

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MF久保建英(ソシエダ)

 日本代表のアジアカップ決勝トーナメント初戦(ラウンド16)の相手は、E組を逆転首位通過したバーレーンに決まったが、同グループの動向をリアルタイムで追っていたMF久保建英(ソシエダ)は27日、報道陣の取材で「正直、ノーマークだった」と率直な思いを明かした。

 日本代表は24日に行われたグループリーグ最終節でインドネシアに勝利し、D組2位での決勝トーナメント進出が決定。25日には今大会開幕後初のオフ日が設けられ、31日の決勝トーナメントに向けて休息を取っていた。オフ日にはラウンド16の対戦相手となるE組の試合が開催。久保はチームメート数人とその動向を追っていたという。

 同時開催の1試合ではグループ首位のヨルダンが3位のバーレーンにリードされる展開。このまま行くと、もう1試合で2位の韓国が最下位のマレーシアに勝てば、ラウンド16での日韓戦が実現する予定だった。試合は思わぬシーソーゲームとなり、韓国が終盤に逆転ゴールを決めたが、後半アディショナルタイム15分に失点。土壇場のドローで首位から陥落し、他会場のバーレーンが日本の対戦相手に決まっていた。

 久保は「試合を見ながら何度も何度も入れ替わっていて、結果が入れ替わるというか、それこそカタールの時の僕らのグループリーグじゃないけど、すごく順位が目まぐるしく入れ替わっていた。正直バーレーンは一番ノーマークだった」と振り返りつつ、長いアディショナルタイムに惑わされた“勘違い”を軽妙に明かした。

「本当に何度も結果が入れ替わっていたので、ああ来るなー、来ないなー、来るなーみたいな感じで、もう途中から考えるのが面倒くさくなって、どこが来ても良いなと思っていた。実は韓国が勝ったと思って、僕は追うのをやめたんで。その後のロスタイムも長すぎて何が起きているのかもわかっていなかった。最後の最後で(マレーシアの)意地のシュートみたいなのが決まって。綺麗な形でしたけどね、股を抜いて。でも決まった時はリアルタイムで知らなかったので、『韓国かー』とかみんなで言ってたら、気づいたら引き分けていたんでビックリしましたね」(久保)

 それでも久保は冷静だった。「正直バーレーン以外の2チームのどっちかだと思っていたのでノーマークだったけど、しっかり分析、対策はできる時間があるので良かった」。インドネシア戦からバーレーン戦にかけては中6日。準備期間は十分に与えられているからだ。またカタールの隣国バーレーンから大勢の応援団が駆けつけることも想定されるが、「人がいないよりはいたほうがいい」ときっぱり「僕たち選手もコロナ禍でサッカーをして観客の頼もしさというか、必要性はわかっている。いてくれたらいてくれたでウェルカム」と前向きに受け止めていた。

 なおラウンド16での日韓戦となれば、同じく少年期をスペインで過ごしたMFイ・ガンインとの親友対決が期待されていたが、それも決勝戦までお預け。久保は「早い段階で当たりそうだねと連絡が来ていたので、決勝まで会うことがないなーというふうに連絡した」とやり取りがあったことを明かしつつ、「かといって僕たち2人とも慢心していない。どっちかが先に帰ることになる可能性が非常に高いので、そうならないように韓国のことを気にしている余裕もない。しっかり良い準備をしたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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