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アジアを戦う上での精神面に言及、堂安律「ミスが対アジアだと自分たちが悪いと思ってしまうのはメンタルから来るもの」

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日本代表MF堂安律

 オフ明けの29日に金髪をさらに明るく染め直して登場した日本代表MF堂安律(フライブルク)は「僕も長く知っている人(美容師)なので、話しながらオフを楽しみながら気分転換しました」と、リフレッシュして決勝トーナメントを迎えようとしている。

 決勝トーナメント1回戦の相手は、韓国またはヨルダンという予想を覆してE組1位となったバーレーン。堂安は「ここまで(勝ち上がって)来ているのには理由があると思う。アウェーの雰囲気もすごいものになると思うし、4-4-2のベーシックな形で来るのか、日本を分析しながらやってくるのかはまだ分からない」と警戒心をのぞかせながらも、「4-4-2で来れば比較的やりやすいと思う」という前向きな展望を明かした。

「5バックだとウイングバックとセンターバックの距離がない分、そこを突くのが難しい。4バックだと一人ひとりの守る幅が広くなるので、その分、サイドバックの選手が上がってきたり、FWの選手がニアゾーンを取るのは狙える」。その言葉が示すように、攻撃のイメージをしっかり持っているのは強みだ。

 一方で、負ければ敗退となる決勝トーナメントでは「緊張感が増してくる」(堂安)と認める。ここで重要と考えているのは、先に失点しないことといった試合運びの部分だけでなく、メンタル面だという。

「相手がアジアということによって、ミスをすると自分たちが調子悪いかなという感情に陥りがちなんですけど、そうじゃないと思う。対ドイツや対スペインでミスしても何も思わなかったのに、ミスが対アジアだと自分たちが悪いと思ってしまうというのはメンタルから来るもの。そう思わないことが大事だと思います」と、独自の捉え方から導き出した精神面について持論を語った。

 バーレーンを率いるフアン・アントニオ・ピッツィ監督は、前回19年のアジアカップではサウジアラビアを指揮しており、日本とは決勝トーナメント1回戦で対戦した。その試合で日本はボール支配率23.7%、サウジアラビアは76.3%とポゼッションでは圧倒されたが、DF冨安健洋の代表初ゴールで辛くも1-0の勝利を収めている。

 その試合に4-2-3-1の右サイドハーフで先発し、後半44分までプレーした堂安は「守備しかしていないので、サウジアラビアの能力の高さを見せられた試合ではあったけど、やっていて怖さはなかったというのも正直あった。回させている感じはあった」と述懐した。そのうえで、「ただ、ワールドカップが終わってから、自分たちがボールを保持しながら主体的にプレーするという新しい僕たちのスタイルをやっている中で、そういうプレーをさせるわけにはいかない」ときっぱり。前回大会とは異なる自分たちのスタイルで勝ち上がっていく腹づもりを示していた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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