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“叩きのめす”“希望を与えない”は「パワーワードで言ったわけではない(笑)」…冨安健洋のイラン戦展望「真っ向勝負で」

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日本代表DF冨安健洋(アーセナル)

 準々決勝の相手はFIFAランキングで日本に次ぐアジア2位のイラン代表日本代表DF冨安健洋(アーセナル)はエースのFWメフディ・タレミを欠く相手の出方に対し、冷静に展望していた。

「印象として僕らにアジャストしてくることはないだろうなというふうに思っている。彼らもかなり自信を持って今大会に参加しているし、攻守ともにアグレッシブにエネルギッシュにプレーしている印象を受けた。自信を持っているだろうし、真っ向勝負でぶつかってくると思う。その中で僕らもその上を行かないといけないし、その準備はできているかなと思います」

 冨安は2019年のアジア杯でも準決勝のイラン戦を経験。前回大会はグループリーグから1点差続きの日本だったが、イラン戦には3-0で快勝を収めた。冨安は当時の印象について「5年も経っているし、僕らも変わっているし、相手も変わっているし、簡単に比較できるわけではない」と冷静に語ったが、冨安の話したような戦法の違いが日本の優位を際立たせ、結果につながった試合だったと言える。

 ただ、その優位はクオリティーで上回ってこそ得られるもの。冨安は「映像から見ても本当アグレッシブでエネルギッシュだなというのを感じたので、相手のペースに合わせるのか、ちょっと落ち着かせながらやるのかというところは試合が始まってから、どっちがいいかを選択しないといけない」と述べ、相手の出方に応じた試合運びにも思いを向ける。

 それでもやはり、まずは自分たちにフォーカスしていく構えだ。「相手のペースに合わせて押し切るか、試合をコントロールしながらやるのかというところは後ろからだったり、(遠藤)航くんとかと喋りながらやらないといけないけど、最初からコントロールしようとするとやはり後手に回る。最初はいつもどおり僕たちから仕掛けに行くというのは次の試合も変わらないと思う」と展望を語った。

 なお、今大会の冨安は先発復帰となったグループリーグ第3戦インドネシア戦前に「相手の勢いにのまれず、むしろ僕たちから仕掛けて“叩きのめす”気持ちでやりたい」、続く決勝トーナメント1回戦バーレーン戦前に「相手に希望を与えないことが大事」「試合会場の雰囲気を殺す」と次々に強気な“名言”を生み出しつつ、目の前の一戦へのテーマを掲げてきた。

 だが、この日は報道陣に問われると「なんでしょうね」と笑みを浮かべながら熟考。「僕もその2つをパワーワードとして言ったわけではないので、普通に言ったのを大きく取り扱ってもらったというか、取り扱われた?という言い方はお任せしますけど……」と笑顔で切り出しつつ、“パワーワード”を封じて意気込みを語った。

「でも間違いなくタフな一戦になる。バーレーン戦もタフな一戦だったけど、よりタフな一戦になると思う。しっかりとみんなで勝つことができればいいなと思っています」。まさに真っ向勝負。FIFAランキングでアジアのトップ2を占める強敵との一戦へ、日本が誇るDFリーダーは正面から挑んでいくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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