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五輪出場に涙のキャプテン熊谷紗希「パリでもみんなで笑いましょう!」

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DF熊谷紗希

[2.28 五輪アジア最終予選(女子)第2戦 日本 2-1 北朝鮮 国立]

 パリ五輪の出場権獲得が決まったタイムアップの直後、なでしこジャパンの主将を務めるDF熊谷紗希(ローマ)の目には涙が光った。試合後、フラッシュインタビューに応じた熊谷は「本当に正直ホッとしています。本当に嬉しいです」と重圧の中で掴み取った勝利の感慨を語った。

 第1戦を0-0で終えたため、勝てば出場権獲得、負ければ予選敗退という状況で迎えた運命の第2戦。選手たちは大きなプレッシャーが押し寄せる中でも、したたかな試合を展開した。

 チームはこの日、第1戦の4-3-3から昨夏の女子W杯で採用した3-4-2-1にシステムを変更。熊谷は第1戦で途中交代に終わったアンカーから、3バック中央のリベロに役割を変えてピッチに立った。これによって同じ3バックを採用する北朝鮮とのシステム上の噛み合わせが改善。より主導権を持って試合が進められるようになった。

 その結果、局面では北朝鮮の激しいプレッシングを受ける場面もあったが、前半26分にセットプレーの波状攻撃からDF高橋はなが先制点を奪うと、後半も優勢にボールを動かし、後半31分にMF藤野あおばが追加点を奪取。最後は同36分に1点を返されたが、その後も守備陣を中心に集中力を失わず、相手の猛攻を耐え抜いた。

 熊谷は「前半から全員の距離感がよく、攻撃で前に進めた。相手が修正してくる前にゴールに進めた。そういうシーンが第1戦に比べて多く作れた。前半1点、後半1点と良い試合運びができた」と手応えを語った。

 熊谷は現在のなでしこジャパンで唯一、2011年の女子ワールドカップ優勝を経験した選手。チームはその後も12年のロンドン五輪準優勝、15年の女子W杯準優勝と世界をリードする結果を出していたが、16年のリオ五輪ではまさかの予選敗退に終わり、世界舞台にすら挑戦できない屈辱を味わった。

 前回の東京五輪は開催国として出場し、ベスト8で敗退。8年ぶりの五輪予選突破には大きな価値があった。試合後、熊谷はチームメートとの円陣で「みんな本当にありがとう!みんなのおかげでパリに行けます!」とチームメートに感謝。「パリでもみんなで笑いましょう!」と熱く鼓舞した。

 またフラッシュインタビューでは「この最高のチームでもっともっと長くやりたいとチームに伝えていて、それがパリで実現することになった。日本の皆さんとパリを掴めたことを本当に嬉しく思っている」と喜びを表現。その上で「私たちはパリの出場権を勝ち取れたけど、まだまだパリまで時間があるし、そこに向かって成長できるチームだと思っている」と前を見据え、「パリで金メダルを目指してまた全員で頑張っていきたい。これからもなでしこジャパンをよろしくお願いします」とメッセージを送った。
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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