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[北京への道(20)]DF森重真人(大分)

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 右でん部痛の影響でU-23オーストラリア代表戦(24日)を欠場したDF森重真人(21=大分トリニータ)は、28日のU-23アルゼンチン代表戦(29日、国立)への公式練習でフルメニューを消化。明日に迫ったU-23アルゼンチン代表戦へ向け「ケガは全く関係ない。休めたし全く問題ない」と体調万全を強調した。そしてアルゼンチンA代表のエース、MFファン・ロマン・リケルメ(ボカ・ジュニアーズ)らを擁する相手については「アルゼンチンはボールをつないで相手を崩すことのできるチームだと思う。いつもどおり大丈夫だということではやられる。細かいところも話しながらやりたい。そして恐れずに戦いたい」と強い意気込みを見せた。
 森重は広島の強豪・広島皆実高から大分へ加入してプロ3年目。プロ2年目の07年には高い守備力を武器に前年のリーグ戦2試合出場から20試合へと大きく出場機会を増やした。そして今年2月のU-23日本代表アメリカ遠征で反町ジャパン初招集。3バックと4バックの両方でCBを務め、安定感の高い守備と攻撃力でもアピールした。「それまでは目標でなかった」という北京五輪だったが、「合宿が終わったときには行けるかなと思った」と現実的なものへと捉えだした。
 5月のトゥーロン国際大会(フランス)ではSBもソツなくこなすなど、本来守備的な中盤のポジションを得意とする男は高いユーティリティ性を発揮。そしてリーグ最少失点を誇る躍進大分の守備の要を務める森重は、誰もが納得する形で反町康治監督の言う「最強の18人」に名を連ねた。
 昨年行われたU-20W杯での先発は1試合のみ。出場した残りの2試合は後半ロスタイムに突入してからで、極端に言えば“時間稼ぎ要員”的な扱いだった。当然、今回の目標は“レギュラーとして大会に臨むこと”だ。右足のキックの精度が抜群に高いことからセットプレーのキッカー候補としても浮上してきた森重。北京へ向けて重要なポイントを「最後は1対1のところだと思う。ここをやられたら失点する。ここは絶対抑えたい」と課題に挙げた。北京まであと10日。ポジション争いを勝ち抜き、欠かせない存在として五輪に臨むためにも、森重にとって抜群の「個」を持つアルゼンチン戦は“本番以上に”重要な戦いとなる。

(取材・文 吉田太郎)

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