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U-23日本代表・反町監督アルゼンチン戦後会見要旨

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北京五輪に出場するU-23日本代表は29日、国際親善試合でアテネ五輪金メダルのU-23アルゼンチン代表と激突。試合は後半に失点して0-1でリードされたあと、雷雨の影響で後半39分に中止となった。以下は試合後の反町監督会見要旨。

●反町康治監督(U-23日本)
「最後(雷雨による試合中止で)はちょっと消化不良のゲームになった。負けたゲームというか、サッカーは最後まで何が起こるかわからないというか……なんともコメントしにくい。ただゲームが終わる時点で0-1という結果はしっかり見ないといけない。強敵アルゼンチンにひるむことなく相手を困らせ、驚かせることもできたのはある意味評価してもいいと思う。ただ、じゃあ結果は?となると……。あと1週間強ある時間をうまくコントロールして、(北京五輪初戦)アメリカ戦でこの試合の2倍くらいの力強い試合を見せたい」

―前半の入り方についてどのような指示を出しましたか?また後半の入り方の指示も教えてください
「日本はこれまでオリンピック3大会に出ているが、そのなかで最初15分の失点というのが「5」なんです。アテネのときはそれで後手を踏んでしまったことを考えると、「最初の15分」を大事にしないといけないという教訓になっている。そう考えると、力が入りすぎても試合に入っていけないし、ふわっと入ってもしようがないなと。そういうことを考えながら送り出した。

実際に最初はアルゼンチンに左サイドから低いクロスを入れられたが、あれでやられてしまうのが今までの日本。あそこでがんばれるかどうかが(五輪では)ポイントになってくるので、本番に備えてやっていかないといけない。

前半指示を出したんですが、ボールを持ってる相手へのファーストディフェンスがいないから最終ラインが下がったのか、それとも最終ラインが下がったから中盤で守備にいけなかったのか、どちらかは選手に聞いてみないとわからないが、最終ラインがペナルティエリア付近まで下がってしまったのは反省しないといけない。
後半は梶山、谷口が相手のガゴ、マスケラーノに(対して守備に)行かないとどうにもならないと思ってやらせたが、天気が変わり評価しづらくなった。選手も意識して、前半の途中あたりからはやれていた。

後半は、前半に課題を与えたのでそのままやったが、疲労がたまった選手から代えていった。静岡のJステップでの合宿から見ていただいている人にはわかると思うが、その合宿で取り組んでいた、最後の1対1のところでしっかりできるかどうか、トレーニングの成果が出なかったのは残念ですが、これも(大会までの)1週間で話してパワーアップして大会に臨みたいと思う。

―こういう強い相手に対して、1点踏ん張りきれずに失点してしまったなかで得た課題は?
「一つ問題だったのは、とくに両サイドが容易にファウルを与えすぎていたこと。審判についてここであまり言うべきではないが、今日は手を出して競ると全部ファウルになっていた。それを選手にも伝えたが、癖というのは簡単には治らない。今日はアジアの審判なのでアジア基準だと思いたい。ただ五輪では大丈夫とも思うがあまりいい審判もいないと聞くので、ゲームをやりながら臨機応変にやっていかないといけない。
前半のように下がって守っていればゼロに抑えられる相手かといえば、そうではないのがアルゼンチン。中盤を密にして数的優位を持ってボールを奪い、プレースバックするという日本の良さを、続けてやっていくこと」

―オーストラリア戦はいい形で点を取って、今日も点は取れなかったが中盤で組み立てられた部分もあった。力を入れていたオープンプレーでの評価を教えてください
「攻撃の形は、結局は両サイドとカウンターだけになってしまったのはちょっと残念。谷口も下がってきてしまったことで攻撃エネルギーが足りなかったかなと。ただ、相手のダブルボランチのプレッシャーを逃げないで縦にボールを入れたりとか、中盤でボールを動かしてからサイドを使うという形もいくつかは見られたので、いいところはそのままやっていきたい。
あと内田がルックアップしたとき、今日はルックアップする前にファウル(で止められること)が多かったが、オーストラリア戦で見せたようなダイナミックな動きをやっていきたい。
今日は攻撃については、基本的には悪くはなかったが、すごくよかったとも言い切れないゲームだったと思う」

―いい仕上がりに見えたが調整が早すぎたことはないか?
「仕上がりといわないでください。選手は書かれたことを読んであれこれ考えてしまうので。まだまだと書いてくれるとありがたい。
五輪会場は近い中国なので、大会まで日本のいい環境で(練習を)できるのはプラス。いまのところ、今日は天気に恵まれなかったけど、Jステップでの合宿でも、Jリーグでの疲労を取りながらプラン通りに合宿ができた。
また今日も大きな怪我はなかったし、細貝、チュンソン(李)も(1日からの)名古屋合宿で戻ってくる。2日オフにしますのでリフレッシュして、メディアのプレッシャーもあるので、それを1回ゆるめさせて、また合宿には戦う顔になって戻ってきてほしい」

―試合メンバーが神戸でのオーストラリア戦と違ったのは元々の予定通りでしょうか?それとも神戸での試合を見て決めたのでしょうか?
「(オーストラリア戦とアルゼンチン戦の)2試合でひとつのタームとしてみていた。けが人が多かったので中盤は少しタイトにはなったが……。考え方はふたつあって、ひとつは完全に固定してそれでずっとやっていく。もう一つは競争もあり、選手の疲労を考えながらピークはどこへ持って行くか。自分は後者を取った。五輪ではグループリーグの1週間で3試合同じメンバーでやれるのかということも考えないといけない。そう考えるとこの2試合を一つのタームとして考えた。当然このいいイメージをもってそのままやらせたいと思う」

―試合が途中で中止になったことでサポーターに言葉をかけるセレモニーの機会がなくなりました。一言お願いします
「ゲーム前のミーティングで、今日は日本での最後の試合になるので、この(反町ジャパンが発足してからの)2年間の恩返しを含めて、サポーターに喜んでもらえるようないいゲームをしようといっていた。それに答えられるようにがんばった。
お客さんが多かったのは相手がアルゼンチンということかな(笑)。でも期待を持って来てくれたひとたちの意気に感じて、(アメリカ戦の試合会場である)天津での初戦を迎えたい。私は口べたなので挨拶とかは好きではないが、この場を借りて、選手、スタッフを代表して一同がんばっていきたいと宣言します」

―グループリーグ突破の自信は? また帯同するメンバーについてと試合後に選手にどんな声をかけたか教えてください
「選手にはまだ声をかけていません。というのはまだ練習している選手がいるんですね。2日間休みにするので、ここで心拍数を上げておかないと難しいので。話すことは、この(次の合宿までの)2日間を有意義に使ってまた戦う顔で戻ってくるように、ということ。
グループリーグ突破については、あまり周りが盛り上げると……ウチはたたかれてたたかれてここまで来たので、今日の敗戦も冷静に書いていただきたい。
帯同するメンバーは、今日の状態をもう一度見ないといけないが、選んだ18人で行くつもり。細貝、チュンソンは参加する。林(GK林彰洋=流通経済大学所属)については大学にも協力いただいて、(名古屋合宿が終わる)3日までいる。つまい19人で1日から3日の合宿をやるつもりでいます」

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