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C大阪での“積み重ね”と”毎熊の刺激”を得て…西尾隆矢はU-23日本代表の生き残りへ「選ばれて安心することはない」

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DF西尾隆矢

 よきシーズン開幕を迎えたまま、代表活動に赴く。セレッソ大阪DF西尾隆矢は18日のU-23日本代表国内合宿の初日から参加。疲労面を考慮して別メニューを40分こなした。「選ばれたからといって安心することはまったくない。競争が激しいなかで、しっかりアピールして生き残りに懸けた戦いに勝ち残れるようにがんばりたい」。常連組ながら慢心なく全力プレーを心がけている。

 若くして経験を積んできたCBは、今季再び出場機会を掴み始めた。C大阪で2種登録され、2019シーズンからU-23チームでJ3を経験。20シーズンにトップ昇格を果たし、翌シーズンはJ1リーグ31試合に出場。しかし22シーズン、21シーズンと徐々に出場機会を減らして苦しい時期が続いた。今シーズンは開幕節はベンチに終わったが、第2節から3試合連続フル出場。代表合流前のサガン鳥栖戦では今季初のクリーンシートも達成し、好調のまま代表に合流した。

 挫折を味わいながらも、一貫したことは「日々の積み重ね」と強調する。「試合の機会に恵まれないなかでも、焦れずにコツコツやり続けたこと。それを小菊(昭雄)監督は見てくれていた」。何かを変えたわけではなく、地道な継続の成果と表現した。

「真面目にやり続けたことを認めてもらって、機会を与えてもらって、その場でしっかりといいパフォーマンスができたと言ってもらえた。そこがすごく大きかった。何かひとつこれが成長したということではない。本当にずっとやり続けた結果が出たと思う」

 C大阪では西尾の近くでプレーする存在から大きな刺激を得ているという。右SBの毎熊晟矢は昨シーズンから日本代表に定着。西尾は「もともとすごく上手い選手だったが」と前置きしつつ、A代表帰りの毎熊の変化に気づいた。「顔つきも変わって、すごく自信に満ち溢れている。あれだけすごいレベルの高い集団に入ってやると、これだけ変わるんだなと。僕も負けじといろんなことを学びながら、そこに食い込めるようにがんばらないといけない」。自身も22年1月にA代表の候補合宿に参加。その舞台を再び見据えていた。

 22年3月に発足した大岩剛監督体制の年代別代表には当初から参加。チーム内では盤石な地位を築いているようにも見えるが、代表活動を「毎回毎回が生き残りを懸けた戦い」と表現する。今夏のパリオリンピックに向け、来月にはアジア最終予選を兼ねたU23アジアカップが待つ。「より一層しっかり勝ち残らないといけない」とサバイバルを意識しながらも「ライバルも多いなかでいい選手はたくさんいる。いいところは盗みながら、自分のアピールポイントも全面に出せれば」と意気込んだ。

 22日にはU-23マリ代表、25日にはU-23ウクライナ代表と相まみえる。すでに五輪出場を決めているチームとの対戦経験は、パリ五輪本番に向けても好材料となるだろう。「チームで経験していることをしっかりと発揮することが目標。なによりも試合があるので、まず勝つことを一番の目標に」。チームと代表の両輪を加速させ、さらなる成長を目指している。

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024(パリ五輪アジア最終予選)特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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