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「ミスしても失うものはない」田中聡がU-23代表入りへの渾身一発! 藤田譲瑠チマのキスは「ちょっときつい(笑)」

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MF田中聡

[3.25 国際親善試合 U-23日本 2-0 U-23ウクライナ ミクスタ]

 U-23日本代表の生き残りを懸けた初ゴールだった。MF田中聡(湘南)は後半31分、PA左から左足シュートを突き刺した。「代表で点を取ったことがなかった」と初ゴールに笑顔を見せた。

 熾烈な中盤のポジション争いでアピールに成功した。ベンチスタートの田中は後半22分に途中出場。すると9分後に結果を残す。MF佐藤恵允がチェイスしたボールが、敵陣付近で待ち構えた田中のもとへ。「迷わず左で振り抜いてよかった」。地を這う弾道がゴール右隅に突き刺さった。

 得点後、田中はゴール裏で喜びを爆発させた。仲間も駆けつけた歓喜の輪を作った。とりわけ独特な表現で喜びを表したのはMF藤田譲瑠チマ。仰向けの田中の顔面に数回にわたりキス。藤田は「テンション上がっちゃっていたので」と振り返った。「彼が決めてくれたのは自分も嬉しい。本当にみんなと仲がいい選手なので嬉しかった」と田中の得点を自身のことのように喜んでいた。

 キスを受けた田中は「ちょっときついですね(笑)」と苦笑。「途中出場で入ってしんどかったので、(キスよりも)足がきつかった」と仲間の独特祝福に照れを見せていた。

 来月にはパリオリンピックアジア最終予選が控えている。田中は当落線上にいる自身の立ち位置を把握したうえで全力を出し切った。「いつもならけっこう緊張していると思ったけど、代表に定着しているわけではないし、ひさしぶりだったので。別にミスをしても失うものはないというメンタルで入った。それがよかった」。持ち前の守備力だけでなく、攻撃力も発揮。大岩剛監督に嬉しい悩みを増やす、田中のゴールとなった。

(取材・文 石川祐介)


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石川祐介
Text by 石川祐介

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