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ドーハで誕生日ケーキを浴びた大畑歩夢「イラクに勝って全員でパリ五輪を決めたい」

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左からFW細谷真大、DF大畑歩夢、MF佐藤恵允

 カタールのドーハで嬉しい祝福だ。パリ五輪出場権を懸けてU23アジアカップに参戦中のU-23日本代表DF大畑歩夢(浦和)が、27日に23歳の誕生日を迎え、笑顔を見せた。

 練習後にはテレビ取材を受けている最中にFW細谷真大とMF佐藤恵允が誕生日ケーキを手に「ハッピーバースデー」を歌いながら登場。ケーキを食べようとしたタイミングで顔に押し当てられる“お約束”の手荒い祝福を受け、「こっちで祝ってもらえるのは勝ち残っているということなので、良かったなと思います」とまた笑顔を浮かべた。

 昨年の22歳の誕生日は、所属の浦和がACL決勝第1戦のためにサウジアラビアへ遠征している最中に迎えた。浦和は敵地でのアルヒラル(サウジアラビア)戦を1-1で終え、ホームでの第2戦を1-0で制して3度目のACL優勝。パリ五輪切符獲得まであと1勝としているU23アジア杯でも良い流れを感じさせる「ハッピーバースデー」だ。

 負ければパリへの道が閉ざされる準々決勝カタール戦では、左SBの位置で先発し、気迫のこもった守備を見せつつ、ビルドアップでも貢献した。グループリーグ第2戦のUAE戦に続いて対アジアの試合で存在感を発揮。そのことについて聞かれると、「自チームでACLも出ているので、場慣れしているという気持ちが大きい」と胸を張った。

 今大会ではほとんどが中2日の試合日程となっており、日本は4月16日からの10日間で既に4試合を行い、チーム全体に疲労がたまっている状態だ。ただ、大畑自身は「自分は疲れはそんなに感じていない。4試合中2試合(の出場)なので」と涼しい顔。好プレーの要因については「試合をやりながら、プレースピードだったり強度だったりに慣れていくというのもある」と語った。

 イラクとは今大会の開幕前に非公開の練習試合をやり、映像の分析も既に済んでいる。

「イラクは両ウイングの速さや力強さがあって、両ウイングがキーになると思っている。そこはサイドバックの選手が抑えつつ、日本が攻撃することで相手の両ウイングを下げて攻撃をストップできたり、疲れさせることができる。自分のサイドや逆サイドがキーになってくると思う」

 戦術面でのポイントを挙げる一方で、つい3か月前のアジアカップでA代表がイラクに敗れていることや、1993年のワールドカップアジア最終予選でイラクに敗れて本大会への道を絶たれたこともしっかりと認識している。「ミーティングでもイラクのところは出ていて、いつも苦戦している印象がある。難しい試合になると思いますが、全員で上手くやれたらいいと思う」とチームの結束を強調しながら意気込みを示した。

 退場者が出たり、VARでPKや得点が取り消されたり、とにかくいろいろなことが起きている今大会も、いよいよあと1勝でパリ五輪切符を手にするところまで来た。「23人全員がファミリーとしてやっているので、試合の中でも誰かがミスしても全員で奪うところだったりはできている。次に勝たないとカタール戦の意味がない。次に勝って全員でオリンピックを決めたい」。左SBで存在感を高めている背番号21は力強く言った。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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