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五輪切符獲得でも目標ブレない平河悠「アジアの頂点に立ってからパリに行く」

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MF平河悠

 今季J1リーグで旋風を巻き起こしている男はアジアでも相手に脅威を与え続け、日本のパリ五輪出場権獲得に貢献した。準決勝のイラク戦で左ウイングとして先発し、立ち上がりから積極果敢なドリブルでチャンスを量産して2-0の勝利に貢献したU-23日本代表MF平河悠(町田)が、決勝戦を2日後に控えて取材陣に対応。「J1でやっていることがこの大会でも出せていると思うし、通用しないという部分は感じていない。自信を持って決勝まで来ていると思う」と力強く言った。

「(イラク戦後は)オリンピックの出場権を獲得できたということで、その日はみんなで喜び合いましたが、自分たちの最終的な目標である優勝に向かってもう一回引き締めようという形でチームの中で話しています」と言い、既に気持ちを切り替えていることも強調した。「最低限の出場権を獲得するという意味では一安心したところもありましたし、ちょっと肩の力が抜けましたが、自分たちの最終的な目標というのはぶらさずにやっていきたいと思います」と気を引き締める様子が頼もしい。

 決勝で戦うウズベキスタンは、日本が8大会連続12度目の五輪出場権獲得だったのに対し、1991年にソビエト連邦から独立した歴史の浅い国であり、五輪出場はパリ大会が初となる。しかし、今大会は準決勝までの5試合をすべて無失点で闘い抜いているほか、2年前のU23アジアカップ準決勝の日本戦でゴールを決めている背番号10のFWジャスルベク・ジャロリディノフら個の力に秀でている選手が多く、決して侮れない。

 平河は「失点していないですし、かなりタイトに来るチーム。得点力のある選手も多いし、A代表に係わっている選手も多いということなので、個の能力も高いですし、チームとしての完成度も高いチームだな、という印象を持っています」と警戒心を露わにする。ただ、心配されるフィジカルコンディションに関しては「連戦は続いていますが、思ったよりは“来ていない”かな」と語るように、充実感が疲れを吹き飛ばしている様子でもある。

「パリオリンピックの出場権は決まりましたけど、やっぱりアジアの頂点に立ってから行くのと、最後負けて日本に帰るのは全然違うと思う。最後に良い形で勝って日本に帰れるように頑張っていきたい」と言葉に力を込めた。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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