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[戦評]日本はもう1ランク上に行くことが必要(カタールvs.日本)

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[11.19 W杯アジア最終予選 カタール0-3日本 ドーハ]
田村修一の「視点」

 試合序盤はカタールのモチベーションが高く、アグレッシブに来ていた。日本は局面でやや劣勢となり、ボールを持つことが出来ず、リズムを作れなかった。ただその展開でも1点を与えなかったことが大きかった。そして19分に田中達也が先制ゴール。どうしても先に1点が欲しかったカタールは、この失点後途端に良さが消えてしまった。

 相手のディフェンスはプレッシャーこそ厳しかったが、日本のスピードアップに対応できない脆さがあった。中盤がミスなくボールをつなぐ日本にとって、彼らを崩すことはそれほど難しいことではなかった。玉田(圭司)が決めた後半開始早々の2点目、そしてセットプレーからの(田中マルクス)闘莉王の3点目も含めて全てこちらのシナリオ通りの試合、これ以上ない展開の結果だった。

 序盤押し込まれていた展開の中で失点していれば、結果の分からない展開だったかもしれない。だが、最初の1点によって、力関係は明らかになった。ただ、快勝だったといっても見過ごすことのできない点はいくつもあった。DFのパスミスやマークのズレであるとか細かなミスがあった。
 また、全体の精度はまだまだ足りない。結果は3-0だったが、チームがウズベキスタン戦、シリア戦から飛躍的に良くなった訳ではない。順調に良い方向へ向かっているものの、チーム作りの点では道はまだまだ長い、という印象だ。
 日本は確実にもう1ランク上に行かなければならない。だからこそ、これまでのチームとはレベルが異なるオーストラリア戦は今後の日本にとってキーになる。オーストラリアとの2試合を連敗しても日本はグループ2位に入ることはできるだろう。ただ、結果以上に予選で唯一日本と同等以上の力を持つ強豪との戦いは重要。これまではそれなりのプレーでも勝ててしまっていたが、これではチーム力を引き上げることはできない。強豪と言える相手との試合から自分たちのレベルを上げなければならない。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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