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守備の不安打ち消し6試合ぶり無失点、川口「自信になる」

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[11.19 W杯アジア最終予選 カタール0-3日本 ドーハ]

 まったく危なげなかった。GK楢崎正剛、DF中澤佑二という守備の要を負傷で欠きながら、2人に代わって先発したGK川口能活(磐田)、DF寺田周平(川崎F)が奮闘。ピンチらしいピンチを招くことなく、国際Aマッチ6試合ぶりの完封勝利を飾った。

 川口は「ひとりひとりが集中していた結果がこうなった。チームとしてゼロで抑えたのは自信になる」と胸を張った。前線から連動したプレスでカタールの攻撃を遮断。個人能力任せの攻撃には数的優位をつくって対応した。川口がスーパーセーブを見せる必要がなかったのも、それだけチームの組織が機能していた証拠だろう。

 「いつも以上に興奮していた。海外で君が代を聞いて、高揚感というか気持ちが高ぶった」と振り返った寺田も、立ち上がりはビルドアップでパスミスが目立つなど冷静さを欠いたが、徐々に落ち着きを取り戻した。「守備に関してはうまく守れたかな。数字としてチームでゼロに抑えられたのはよかった」。国際Aマッチ出場4試合目ながら、寺田が出場している270分間はいまだ無失点だ。さまざまなアクシンデントが付き物の最終予選。楢崎、中澤を欠いた今回の試合は、まさにその典型だったが、これまで控えに甘んじてきた2人がきっちりと穴を埋めた。

 「アウェーのカタール戦という勝負所の試合だった。年内最後の代表戦でもあったし、勝って終わることができてよかった。前向きに来年もスタートできる」と川口。ただの代役で終わるつもりはない。定位置奪回へ。チーム内の競争もさらに激しくなる。

<写真>GK川口能活
(取材・文 西山紘平)

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