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日本vsカタール 試合後の監督会見要旨

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[11.19 W杯アジア最終予選 カタール0-3日本 ドーハ]

 W杯アジア最終予選が19日、各地で行われ、日本代表はアウェーでカタール代表と対戦。勝ち点4同士で並ぶ両チームの激突はFW田中達也、FW玉田圭司、DF田中マルクス闘莉王がそれぞれゴールを決め、日本が3-0で快勝した。これで2勝1分の勝ち点7に伸ばし、3連勝でA組首位のオーストラリアを追走し、W杯に自動的に出場できる2位以内確保に前進した。
以下、試合後の監督会見要旨

<日本>
岡田武史監督
「今日は当面のライバルが相手で、タフなゲームになると予想していた。選手たちが臆することなく、戦う姿勢を前面に出して戦ってくれた。これが一番良かったところだと思う。何度かチャンスをつくる中で前半に1点しか決められなかったが、後半の立ち上がりに2点目が入って、選手も余裕をもって本来のボール回しができるようになったと思う。
 その前に決めておけばという場面もあったが、選手が90分間通して、ディフェンスでは相手をサンドイッチにして前線にいいボールを入れさせず、前に出されてもサンドイッチするということを繰り返しやってくれた。攻撃もパスして動くという基本的なことをやってくれた。この勝ち点3は非常に大きな勝ち点3になると思う。ただ、まだ何も得たわけではない。チームの精度を上げ、W杯予選は何が起きるか分からないので、最後まで戦い続けたい。今日は一丸となって戦ってくれた選手に感謝したい」

―3-0とリードしてから、3人攻撃の選手を交代で使ったが?
「DFラインの2人と、ダブルボランチのところは非常に安定していたので、そこはいじりたくなかった。うちが点を取ってからカタールはDFラインからのロングボールが多くなった。そこを蹴らせたくなかったので、前で走れる選手を使った。前線の方がどうしても運動量が多かったので、へばってきて遅れがちなタックルを受けるとケガをする可能性が高くなる。それで前の選手を代えた」

―チームづくりの手応えは?
「結果として今日は3点も取れて内容もそこそこのゲームができたが、2点目の玉田のゴールがなかったら、どうなるか分からなかった。結果から見ると出来、不出来はあるが、我々がやろうとするコンセプトは、少しずつだが確実に進歩しているという手応えは持っている。
 我々は技術で勝っていかなければならないので、技術的なミスは今後命取りになる可能性があるし、そういう精度を上げる必要はある。代表チームは寄せ集めであるというのは免れないが、自分のチーム、チームとしての一体感が大事。集まって試合をするだけでなく、ここに来たときには自分のチームなんだという一体感をもっと醸成したいと思っている」

―3点はカタールのDFのミスか?
「サッカーはミスの競技。手でやる競技はミスが少ないが、サッカーはミスの競技で、それをいかにカバーし合うか、もしくはいかにそこを突くかという競技。我々もミスを犯すし、カタールもミスを犯す。失点したときはミスだと思う。今日は運良く我々が点を入れられたというだけだと思う」

―ケガで不在の選手がいたことに不安はあったか?
「いない選手を心配しても仕方がない。自分でどうしようもないことを心配しても仕方がないし、まったく考えなかった」

―就任後のベストゲームだったと思うか?
「ホームのオマーン戦の方が自分の中では良かったかなと思う。今日も悪くはないが」

―カタールの縦の2トップについては?
「ハルファンが前に張ってくれていた方がありがたいが、下がってくるだろうというのはスカウティングも言っていたので、選手も頭に入っていたと思う」

―田中達也の動きについては?
「今まで1トップのときは守備時に相手のボランチを意識しすぎてスタート位置が低くなっていた。今日はもっとストッパーにプレッシャーをかけて、攻撃のときに一歩遅れないように2トップでやったが、今後はどうするか分からない」

―3-0になってバーレーン戦のことは頭によぎった?
「あまりよぎらなかった。ただ、隙を見せたくなかったので、闘莉王にはずっと言い続けた」

―中村俊輔をフル出場で使ったのは?
「問題があったら使わない」

<カタール>
●ブルーノ・メツ監督
「日本のように強いチームと戦うときはミスを最小限に抑えなければならないが、今日は度重なるミスを犯してしまった。立ち上がりは良かったが、最初のゴールを決められてから悪循環が始まり、2点目につながった。フィジカルもモチベーションも下がり、体も動いていなかった。後半に入ってから巻き返そうとしたが、3点目のゴールを決められてしまった。日本の強さを痛感した。個人個人が技術的にもカタールよりまさっていた。カタールが初歩的なミスを繰り返してしまったのも敗因だと思う」

―先制点から悪循環が始まった以外に敗因は?
「最初のゴールを決められたときにはまだ巻き返しの可能性があった。ただ、後半2分に2点目を決められたのは運が悪かった。身体的にも心理的にも悪影響があった。戦略的にもすべての可能性を打ちのめされた。2点目が決まったときにすべてが終了したように思えた。ただ、ポジティブなことを言えば前半に3~4回チャンスがあった。チャンスをものにできなくて残念」

―オーストラリア戦と合わせて7失点したが?
「7失点は痛いし、2位確保は難しい。夢を見たい気もするが、現実的には難しいだろう。次の現実的な目標は3位を確保すること。それも難しいのは理解している。今日のゲームは残念な結果で、自分自身も残念に思っているが、日本が自分のチームよりも強かったことを認めざるを得ない。またカタール代表は犯してはいけないミスをたくさん犯した。この点を反省したい」

<写真>日本代表岡田武史監督
(取材・文 西山紘平)

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