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「憲剛システム+俊輔」、ダブル中村が1年ぶり同時先発へ

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 日本代表は30日、31日のキリン杯・ベルギー戦に向け、試合会場の東京・国立競技場で公式練習を行った。右足首痛のFW玉田圭司(名古屋)、ウズベキスタンで合流するMF松井大輔(サンテティエンヌ)を除く24選手が参加。日本はベルギーに引き分け以上で、キリン杯3連覇が決まる。

 日本の司令塔にゴーサインが出た。股関節周辺の違和感を抱えるMF中村俊輔(セルティック)について、岡田武史監督は「俊輔はスタートから使ってみようと思っている」と先発起用を明言。「90分は考えていないが、どれだけ使うかはメディカルと相談して決めたい」と、時間限定で起用する考えを明らかにした。

 シーズン終盤に再発した股関節痛に慎重な姿勢を見せていた俊輔も、「きのう練習をやっても、そんなにリバウンドがなかった。試合をやってもこれぐらいなら、ウズベキスタン戦まで時間もあるし、ここでやっておいた方がいい」と意欲的に語った。

 6月6日のW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦の前哨戦となるベルギー戦。俊輔は仮想ウズベキスタン攻略のイメージを膨らませて言った。

 「ベルギーはサイズがでかい。DF4枚と中盤4枚のラインを並べるのはウズベキスタンと一緒。自分たちがボールを持っても、チリみたいには来ないと思う。ボールは回せるだろうけど、そこでどう突破するか。チリは付いてくるからスペースもあったけど、ベルギーは2枚の壁がウズベキスタンみたいにしっかりしている。それをどう崩すか。理想の相手だと思う」

 ベルギー戦では約1年ぶりに「ダブル中村」がそろって先発する可能性が高い。27日のチリ戦(4-0)では「(中村)憲剛のためにやった」(岡田監督)というMF中村憲剛をトップ下に置いた新システムが機能し、4得点の快勝を飾った。2月4日のフィンランド戦(5-1)と合わせ、2試合で9得点を叩き出した「憲剛システム」は今回も継続が有力。そこに俊輔を組み込むことで、さらに威力を増したい狙いがある。

 俊輔と憲剛がともに先発すれば、昨年6月22日のW杯アジア3次予選・バーレーン戦(1-0)以来、約1年ぶり。岡田体制になって2人が先発したのは、そのバーレーン戦と昨年5月27日のパラグアイ戦(0-0)の2試合しかない。ただ、2試合とも憲剛が入ったのはボランチ。トップ下に憲剛、右サイドに俊輔と攻撃的な位置に2人が並ぶのは初めての形になる。

 岡田監督のイメージは4-2-3-1よりも4-2-1-3に近いという。「3」の右に入る俊輔はその意図をくみ取り、「俺も高めの位置にいる時間を多くしようかなと思っている」と、より相手にとって危険な位置でプレーするつもりだ。

 「憲剛が引いたら、俺が少し前に行かないといけない。憲剛にも言ったけど、こっち(右サイド)に来て、俺と憲剛がポジションチェンジしてもいい。憲剛はくさびに戻ってきてパスを受けて、前を見ているときの方がいいしね。そこらへんは臨機応変にやりたい」

 長身DFがそろい、コンパクトなゾーンを固めて守ってくるベルギー守備陣をどう崩すか。俊輔&憲剛のテクニックとイマジネーションが、そのカギを握ってくる。「新しいオプションになるかもしれないしね」と俊輔。「ダブル中村システム」が仮想ベルギーを攻略できれば、ウズベキスタン撃破、その先にあるW杯も見えてくる。

<写真>先発起用が確実になったMF中村俊輔

(取材・文 西山紘平)

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