beacon

16歳岩渕は得点王にも苦笑い、「何もしてないです」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.13 東アジア女子選手権 日本2-1韓国 味スタ]

 連覇の喜びもかすんでしまった。後半22分から途中出場したFW岩渕真奈は持ち味を発揮することなく、試合終了の笛を聞いた。

 「何もしてないです」。試合の感想を聞かれ、ただ苦笑いするしかなかった。ベンチに呼ばれたのは2-0とリードしていたタイミング。チームとして韓国の反撃を受ける劣勢の試合展開の中、右MFとして流れを変えるプレーが期待されたが、得意のドリブル突破もDFの網にかかり、シュートも打てなかった。

 なでしこジャパン初先発で2得点を挙げた11日のチャイニーズ・タイペイ(台湾)戦から中1日。「足が重たいなとは思ったけど、それでやっている人もいるので。全然まだまだです」と反省の言葉が続いた。

 6日の中国戦に後半20分から途中出場し、フル代表デビュー。台湾戦で初先発、初ゴール。そして、韓国戦。大会を通して一歩一歩ステップを上がりながら、壁にもぶつかった。

 「中国、韓国という強い相手と、台湾みたいに少しレベルの落ちるチームとで、できることに差がありすぎる。相手のレベルもあるし、周りからは“遠慮している”と言われている。ちょっとのことに左右されて、プレーの質が変わる部分を克服しないといけない」

 大会通算2得点は得点ランキングトップタイ。ただ、格下の台湾からの2ゴールでは喜び切れなかった。「正直、台湾戦でしかできなかったので。うれしくないと言ったら嘘になるけど、悔しさの方が大きい」と素直な感想を口にした。

 ただ、「目標」にしてきたなでしこジャパンでの116分間は何事にも変え難い経験になった。「この大会を経験できたことは大きかったので、成長につなげたい。個人的には去年、成長できたことは大きかったと思ってますが、今年もさらに積み上げていきたい」と前を向いた。

 韓国戦では「あこがれ」というMF澤穂希が代表通算150試合出場を果たし、大会MVPにも選ばれた。「澤さんはすごいので。ほんとにすごいです。私も澤さんを目標にして、150試合とか数は気にしないで、積み重ねていって、いつか記念の日を迎えたい」。偉大な先輩とともに過ごした時間が岩渕をもう一回り成長させるはずだ。

<写真>他国の選手と得点王を分け合った日本女子代表FW岩渕(向かって右)
(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
東アジア選手権特設ページ

TOP