beacon

150試合出場の澤がMVP。5月のアジア杯制覇、そして世界一へ牽引する!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.13 東アジア女子選手権 日本2-1韓国 味スタ]

 エース澤穂希が大会MVPに輝いた。この日は日本代表通算150試合出場と節目でもあり、韓国戦前に花束贈呈を受けたキャプテンは、ボランチとしてチームを牽引した。3試合でゴールこそ決めていないが、攻守で若いなでしこジャパンを支え、大会連覇に貢献した。

 「今回は北朝鮮がいなかったけど、前回の優勝がまぐれではないことを証明できました。日本で開催された試合なので、優勝することに意味がありました。150試合? あっというまでしたね。犬飼会長からは200試合を目指せと言われました。頑張ります。この節目の150試合目で韓国に勝てて、東アジアのタイトルを取れた。一生の思い出になります」

 笑みを浮かべながら記念の一試合、大会連覇を振り勝った。代表デビューは1993年12月6日のフィリピン戦(第9回アジア女子選手権、マレーシア)。当時15歳だった澤は、初試合で4ゴールという離れ業をやってのけ、以降、日本の女子サッカー界をリードしてきた。31歳になったが、まだまだ大黒柱だ。

 佐々木則夫監督はこの日の試合後、「(2011年のドイツW杯で)ワールドカップを獲得したい」と『世界一』を目標に掲げたが当然、澤はその中心選手として期待されている。だからこそ、連覇の喜びもつかの間、すぐに表情を引き締めて若手選手への課題も口にした。

 「きょう韓国が後半、前からプレスをかけに来てて、(交わすためにDFなどが)大きく蹴って裏返したりしないといけないのに、それができなかった。前からのプレスにすごい慌てて、自分たちではまってしまった感じです。経験的に足りないところがあります。5月のアジア杯に向けて、修正していかないといけない」

 今年の5月には2011年ドイツW杯の予選を兼ねたアジア杯が中国で行われる。そもそも、今回の東アジア女子選手権は、4強入りした北京五輪後、池田浩美や阪口夢穂ら数名の主力が抜けて若返った日本の強化が目的だった。DF熊谷紗希(19歳)、MF宇津木瑠美(21歳)、DF鮫島彩(22歳)、DF岩清水梓、MF山口麻美(23歳)と主力に若い選手が多く、澤には経験を伝え、底上げすることも期待されている。

 「チリ遠征(1月)では、若い選手がまだまだ声を出せていなかった。分からないことはどんどん聞いてくれていいから、と声をかけたけど、少しずつ、チームとして良くなっていると思います」と手ごたえも感じている。今後もアドバイスをし「本当にいいチームだった」という北京五輪時を超えるチームにするのが目標だ。
 
 澤個人としても「まだまだ伸びるところがあると思う。フィジカル面は難しいけど、技術面、基本的なことを含めて、まだまだうまくなれると思っています」とさらなる高みを目指す。3月からリーグ戦が始まるため、すぐに渡米と休む間もないが、2011年ドイツW杯、2012年ロンドン五輪で『世界一』という大目標を達成するため、まだまだ挑戦を続ける。

<写真>日本女子代表MF澤
(取材・文 近藤安弘)

▼関連リンク
東アジア選手権特設ページ

TOP