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中澤&闘莉王のCBコンビが8試合ぶり失点。楢崎「韓国にやられているようではダメ」

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[2.14 東アジア選手権 日本1-3韓国 国立]
 順調に仕上がっているかに思えた守備が崩れた。中澤佑二田中マルクス闘莉王のCBコンビが先発したベスト布陣のDFラインが、昨年9月のガーナ戦(4-3勝利)以来、8試合ぶりに失点を喫した。
 「1失点目、2失点目はとくべつ崩されたわけじゃないから余計に悔しい。この2失点でリズムが崩れた。流れを変えられないまま、時間だけが経った・・・」
 中澤がつらそうな表情を浮かべて振り返った。この日は代表通算100試合目出場の節目だったが、勝利で花を添えることはできなかった。たしかに、前半33分の1失点目はDF内田篤人がPA内でファウルを犯してしまい、献上したPKでの失点だった。同39分の2失点目も強烈なミドルシュートが自身の背中に当たり、不運にもゴールネットに突き刺さってしまった。
 完全に崩されたのは後半25分に、右サイドでパスを回されて決められた3失点目だけ。これはチームが攻めに行っていた上、コンビを組んだのも闘莉王ではなく、経験のない岩政大樹とだった。
 だが、ベテランGK楢崎正剛は「ホームで3失点したらは言い訳は何もできない」といい、不運だったミドルシュートについても「あそこから打ってくるのは考えられたことで、ちょっとのスキを見せてはいけないということだと思う。W杯では一発で仕留めてくる選手が前の方にいる。韓国にやられているようではダメ」と厳しい言葉を口にした。1失点目のPKについても「(日本がPKを得たため)帳尻を合わせる審判もいるから」と注意不足だったことを指摘した。
 そもそも、7試合連続完封を達成した相手は、香港(3試合)、トーゴ(2軍)、南アフリカ、ベネズエラ、中国とほとんが弱い相手だった。歯ごたえのある相手は、南アフリカくらい。やはり、韓国のようにW杯の常連国が相手だと脆いのか。。。楢崎が言う通りアタッカーに才能をそろえるオランダ、カメルーン、デンマークのような国が相手だったら・・・想像しただけで、背筋が凍りそうだ。
 守備全体を見たとき、改善点はどこにあるのか。中澤は2つのポイントを挙げた。「内田のPKは仕方ない? あそこは飛びこんでPKになったけど、交わされても(後ろに)2人いた。3点目は(マークしていた内田が)飛び込めなかった。いつ飛びこんで、いつステイするのか判断しないといけない。危険察知能力でいい勉強になったと思う」という。
 決して内田のプレーを責めたわけではない。DF全員に必要な能力として、こういう場面では飛び込むのか、それとも待ち受けて動きを遅らせて味方のフォローを待つのか、状況判断の正確性が必要になってくると指摘した。
 そして、試合の運び方だ。「PKの場面はつなぎをミスしてシュートまでいかれた。つなぎのミスだった。(相手に押し込まれて)苦しかったら(つながずにロングボールを)蹴ってもいい。パスカットから失点して、W杯で負けることもある」と、日本の持ち味であるパス回しが、時として“毒”になる可能性を指摘。もっと試合巧者になる必要があると反省した。
 いずれにせよ、W杯本番4カ月前になって、そのあたりがチームとして整理され、意思統一できていないのは不安要素だ。W杯では韓国とは比べ物にならないほど、攻撃陣はタレントがそろう。ほんの少しのことかもしれないが、早期に確実に、改善されることを祈りたい。
<写真>日本代表DF中澤
(取材・文 近藤安弘)

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