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岡田監督にオーバーラップをとがめられた闘莉王は「最初に上がったのは早すぎた」と反省

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Text alert@豊田スタジアム
試合開始からまだ5分ほどしか経過していない立ち上がりの時間帯。最終ラインの田中マルクス闘莉王(名古屋)が早くも前線へ上がっていった。

テクニカルエリアに飛び出ていった岡田武史監督が、中澤佑二(横浜FM)に、「(闘莉王を)抑えろ!」とあわてて指示を与える。

果敢なオーバーラップは自分の武器であり、持ち味であると自認する闘莉王だが、2月の東アジア選手権では上がりすぎと戻りの遅さが批判を浴び、岡田監督からは「ブラジル代表のルッシオのように(上がってもしっかり戻る選手に)なれ」と“教育的指導”を受けた。
だが、「俺は本気でベスト4を狙っている」との高い意識を持っている闘将の胸の中には、「試合でトライしないと成長できない」との思いがある。
それゆえ、この日も攻撃参加の回数は減ることがなかった。ただ、戻る際に全力疾走する場面は確実に増えていた。
「最初に上がったのは早すぎた。抑えるところ、上がって起点になるところをしっかり区別して、最後はしっかり守るということをしないといけない。監督とはお互いに話し合いながら、どういうタイミングで上がっていくべきか、聞きながらやりたい」
暴走オンリーで、周囲の声に耳を貸さないわけだはないのだ。最後は、2月14日の韓国戦で一発退場したことを自ら口にし、「俺は結果にこだわってやってきている。だから韓国に負けたことに関しては悔しいし、自分が退場して最後まで戦えなかったことに関して反省している。今日は勝って本当によかった」とほっとした様子だった。

<写真>日本代表DF闘莉王
(取材・文・矢内由美子)

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