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惨敗の中で唯一の光明、石川「自分の良さは武器になる」

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[4.7 キリンチャンレジ杯 日本0-3セルビア 長居]

 惨敗の試合で、唯一の光明だった。後半開始から出場したMF石川直宏(F東京)は絶妙な動き出しで裏に飛び出し、チャンスメイク。サイドでも起点になり、クロスやカットインからのシュートと持ち味を発揮し、45分間の出場ながらチーム最多タイの3本のシュートを放った。

 後半14分にはMF中村俊輔のパスに反応し、GKと1対1の決定機を迎えたが、シュートはGKに阻まれた。同24分にも遠藤のパスからDFラインの背後を取ったが、シュートは空振り。同32分には右サイドから切れ込み、左足で狙った。

 「決めていれば1-2になって、違った形になっていたと思うけど、それが今の僕の実力。質の部分は反省して、つなげないといけない」。結果として残せなかった以上、満足はできないが、手応えはあった。「点にはつながらなかったけど、自分の良さはひとつの武器になるんじゃないかと。チームの中で生かせると、監督が思ってくれれば…」。W杯メンバー23人決定前最後の試合を終え、祈るような口調で語っていた。

 岡田武史監督は「ポジティブなことはあまりないけど、あえて言うと、何人かの選手は特徴を出してくれて、こういうときは生きてくれるんだなというのが分かった」と指摘。名前は挙げなかったが、石川のことを指しているのは明らかだった。

 W杯直前のケガが怖いのか、多くの選手に戦う闘志を感じることができなかった。そんな中、積極果敢に仕掛け続けた石川の姿は指揮官の脳裏にも焼き付いたはずだ。

<写真>日本代表MF石川
(取材・文 西山紘平)

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