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日本vsセルビア 試合後の岡田監督会見要旨

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[4.7 キリンチャンレジ杯 日本0-3セルビア 長居]

 日本代表は7日、セルビア代表と対戦し、0-3の惨敗を喫した。5月中旬のW杯メンバー23人決定前最後の試合。選考を兼ねたオプションのテストとともにチーム力を底上げしたい一戦だったが、若手主体のセルビアに対しホームで攻守にいいところのない完敗だった。
以下、試合後の岡田監督会見要旨

岡田武史監督
「前半立ち上がりからディフェンスが不安定で、簡単に裏を取られる場面が続いた。うちのチームは先に点を取られると、苦しい展開になる。安定しなきゃいけない守備が安定しなかった。そのあと稲本をアンカーに置いて守備は安定したが、攻撃でポジションを失うというか、サイドで起点ができなくて、チャンスもつくれなかった。後半は守備が安定して、サイドで起点もできて、チャンスもつくれたが、負けているときに横、後ろへのパスばかりで、ボールの持ち方もそうだし、スローインでも前に行く姿勢が必要。メンバーを欠いたときは同じ戦いが難しいんだなということも感じている」

―前半の失点する前の方が後半よりもパスが回っていたように思ったが?
「パスを回すという意味では数字を見ても、70%以上のポゼッション率があったと思う。ただ、1タッチでパスが動いても、最終的に相手の裏を取らないと、ゴールにはつながらない。今日のようにブロックをつくられたときは、中央ではなく、サイドから裏を取らないといけない。前半はパスは回っていたが、中でのパスで、そこでインターセプトされてカウンターを受けていた。前半、相手のシュートが9本ということにそれが如実に表れていると思う。後半のメンバーではシンプルにボールを回すことは難しいが、点を取ることに関しては可能性を感じた」

―選手の覇気が見えなかったように感じたが?
「この試合自体、この時期にこういう形でやることになって。選手に、どうしてもこの試合に勝たないと、というのがなかったかもしれない。ただ、日の丸を付けて戦うからにはどんな試合でも勝利にどん欲に戦わないといけない。負けているときに、勝ちたいのか、自分がミスをしたくないのか。チームが勝つために徹せられなかったことは反省している」

―守備が不安定になった要因、修正点は?
「選手のポジショニングが非常に悪かった。いるだけで、相手をつかんでいなかった。メンバーがそろっていないときには、途中からやったようにアンカーを置くとか、3バックも考えないといけない」

―この試合でポジティブな点は?
「あまりないけど、あえて言うと、何人かの選手は特徴を出してくれて、こういうときは生きてくれるんだなというのが分かった。ただ、一番は11人そろったときはそこそこできるが、ケガ人が出たら同じ戦いは厳しいんだなと。試合前半から中盤にかけて我慢することも必要なんだなということが分かったことが一番かなと思う」

―稲本をアンカーに置いたのは想定していたことなのか?
「昨日、紅白戦を10分2本やって、相手にコーチが入っていたのもあるが、そのときもディフェンスの不安定さがあって、3バックも選択肢に入れていた。安定しないときは稲本をアンカーに置くというのは、稲本、阿部、遠藤には伝えていた。そういう準備はしていたし、いろんな可能性を考えていた。阿部が最初下がっていたのは、後ろで球出しが得意な選手が阿部しかいなかったため、自然と阿部が下がることになった」

―メンバーがいなくても、もう少しできると思っていたか?
「正直、もう少しできると思っていた。ただ、こういう不安定な状況も考えられたし、3バックも考えないといけないなとは思っていた」

―先ほどから3バックという言葉を使っているが、5月からのキャンプでは3バックの練習も多くなるのか?
「基本的に最初から3バックを考えているわけではない。よほどメンバーが欠けた場合。今回はサブのメンバーも欠けていたので。ただ、4-1-4-1で、アンカーを置くことは考えている」

―W杯ではリードされる展開も想定されるが?
「攻撃で圧倒して勝てるレベルの相手とこれからやるわけではない。だから、先に失点することはどうしても避けたい。前半の2点は忘れて、後半は一からやれと指示したが、FKを決められて。そのあとも攻撃に行こうという意欲はあったが、ゴールを取り切ろうという執着心は足りなかったかもしれない」

―この試合でW杯の23人は固まったか?
「ある意味では大きく、自分の中でハッキリできたこともある」

<写真>日本代表岡田監督
(取材・文 西山紘平)

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