beacon

決勝点は松井の左足から、「僕は左でも蹴れるから」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.14 W杯グループリーグE組 日本1-0カメルーン フリー・ステイト]

 狙い通りの美しい軌道が決勝点を生んだ。左足のクロスでMF本田圭佑の先制点をアシストしたMF松井大輔は“してやったり”の表情だった。

 前半39分、中央のMF遠藤保仁から右サイドの開いた位置でボールを受けた。対面するDFに対し、縦に勝負するのではなく、切り返して左足に持ち替える。相手のプレッシャーが弱くなった一瞬を見逃さず、ゴール前にクロス。これが逆サイドの本田にきれいに渡った。

 「3回も4回も同じことをやってもしょうがない。僕は左でも蹴れるから。思い通り、いつも通り蹴れた」。岡田武史監督からは「早めにGKとDFの間に入れていけ」と指示を受けていた。「最初は早めに右足で何回か上げていたけど、左足の方が好きだから、ちょっと持ち直して…」。咄嗟の状況判断。「プロ1年目の初戦しか緊張したことない」という男はW杯の舞台でも落ち着き払っていた。

 「大事な初戦に勝つことができてうれしい。周りからは“弱い日本”と思われていて悔しかったし、ピッチで証明することができてよかった。勝つことによって、自信というか、今まで自分たちがやってきたサッカーが正しかったことを証明できた。国民というか、テレビで見ている世界中の人が、日本が勝ったことで“いいサッカーをするな”と思ってくれる。それを誇りに思う」

 反骨心が生んだパワーだったのかもしれない。「勝ったことでみんな自信がみなぎっている」。欧州の舞台でもまれてきた松井が、大事な大事な初戦で大仕事をやってのけた。

<写真>絶妙アシストを決めた松井。さすが海外組の力をみせた

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
W杯南アフリカ大会ページ

TOP