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ザック監督が見初めた7人の"新戦力"、「ベースにした」9月の2試合からは4人が落選

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 9月17日の再来日から精力的にJリーグの視察を重ねてきたアルベルト・ザッケローニ監督は初采配となる10月8日のアルゼンチン戦に向け、初めて自らメンバー選考を行った。

 「この1ヵ月、時間の許す限り、できるだけ試合を見に行こうと考えていたが、1ヵ月という短い期間ですべての選手を知るのは難しかった」と話し、「原さんが指揮した最後の2試合をベースにしようと考えた」と、9月のパラグアイ戦、グアテマラ戦に招集された選手24人のうち17人が引き続き選出された。

 時間的な制約がある中での人選とはなったが、MF本田拓也、FW関口訓充の2人がA代表に初選出され、GK西川周作、GK権田修一、DF伊野波雅彦、MF阿部勇樹、FW前田遼一、FW金崎夢生の6人が代表復帰を果たした。

 移籍直後だったため9月の招集は見送られた阿部を除けば、その他の7人に関しては、ザッケローニ監督やコーチ陣がJリーグの視察などを通じて興味を惹かれ、実際に招集に踏み切った期待の新戦力と言える。

 一方、指揮官が「ベースにした」と話す9月の2試合に招集されていながら今回は落選した選手は、ザッケローニ監督の“好み”に合わなかったという見方ができる。代表引退を表明したGK楢崎正剛、負傷離脱中のDF中澤佑二、MF藤本淳吾はその例に含まれないが、DF岩政大樹、DF永田充、MF橋本英郎、MF乾貴士の4選手にとっては厳しい選考結果となった。

 ザッケローニ監督は「長い目でこのチームを育てていかないといけない。具体的には14年のブラジルW杯を見据えてチームをつくっていかないといけないと思っている。そのコンセプトから言って、世代交代は避けられない」と明言した。権田や本田拓、金崎らはその代表とも言える。

 「若い選手の成長には、ベテランと一緒にプレーする、ベテランと対峙することが必要になる。大切なのは一気に変えることではなく、徐々に変化を付けていくこと」と、急激な世代交代ではなく、じっくりと見極めながら血の入れ替えを敢行していく考えを示した。いよいよ動き出したザックジャパン。徐々に自分の色を加えていきながら、チームを目指すべき完成形に近づけていく。

(取材・文 西山紘平)

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