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ゲキサカ×香川真司インタビュー」第1回「アジア杯は優勝を勝ち取りたい」

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 昨夏、セレッソ大阪から96-97年シーズンのヨーロッパチャンピオン、ドルトムント(ドイツ)へ移籍した日本代表MF香川真司。ヨーロッパではほぼ無名だった21歳のMFが、ブンデスリーガ(ドイツ1部リーグ)17試合に出場し8得点を記録する大活躍を見せるなど、昨シーズンリーグ5位だったドルトムントを首位へ押し上げている。7日に始まるアジア杯2011での活躍も期待される香川がゲキサカへ向けて、アジア杯2011やドイツでの1年目シーズンについて、またその足元を支えるアディダス社製のスパイク「F50 adizero」について、中高生へ向けたメッセージや将来についても語ってくれた。全4回の短期集中連載でお届けする「香川選手の今」、第1回は「2010-2011年シーズン編」だ。

 ブンデスリーガ公式サイトが選んだ前半戦のMVPに選出された香川には地元紙が「極上の寿司」という愛称をつけるなど、実力への評価、人気ともにリーグ開幕前には周囲が想像もつかなかったほど上昇している。

「当初からできるという自信はありましたけど、得点を半年間でこんなに取れるとは思っていなかった。ただ試合をやるにつれて、常に手ごたえを感じていたりもした。点を取れ出してからはもっと取れるだろうなと感じていた」

 この挑戦は簡単のものだった訳ではない。日本からヨーロッパへ移籍した選手の誰もが、日本のハードなそれとは違う粘土質の緩いピッチに苦しんできた。香川自身も「ピッチはぬかるんでいるので足を取られて疲労がくるし、(このピッチで)90分戦い抜く体力は今の自分にはない」と語る。それでもドリブルとボールをもらう動きのよさ、そして抜群の得点感覚を武器にゴールを量産。アディダス社製のフットボールスパイク史上最軽量という「F50 adizero」を武器に軽やかにピッチを舞い「毎試合鳥肌立つし、毎試合感動させられる。次に行くチームは想像つかないというか。このチームのファンは間違いなく世界一」というドルトムントサポーターのヒーローになった。

「半年間ですけどすごく充実した半年間でしたし、チームも個人もいい結果をのこせていると思う。そういう意味では今はいい状態にあるのかなと思う」。

 日本代表で最高の結果を残し、その先にはドルトムントでのエースとして再び戦うリーグ後半戦が待っている。

「これから後半戦が始まりますけど、首位ということで必ず他のチームはかなり勢いをもって僕たちとの試合に臨んでくると思う。自分たちもしっかりとした気持ちで戦わないと、首位という現状に満足するのではなく、1試合1試合ハードワークして戦っていくことが重要になってくると思う。今の現状をできるだけ長く続けて優勝したい。後半戦になってくると1試合勝つごとに周りのプレッシャーも大きくなってくると思うけど、プレッシャーに負けずに頑張っていきたい」。

 1月7日には日本代表として臨むアジア杯2011が開幕する。W杯南アフリカ大会後の日本代表初戦、パラグアイ代表戦で決勝ゴールを決めた香川は日本代表のエースナンバー、10番を背負ってアジアタイトルに挑戦する。「アジアカップはいいスタートを切れるように。またザッケローニ監督としては初めての大きい大会なのでまた新しい代表としていいサッカーして優勝を勝ち取りたい」と誓った。サポートメンバーとして参加したW杯南アフリカ大会は目の前に憧れのピッチがありながら、そこに立つことは叶わなかった。だが今回の期待度、注目度は全く違う。アジア杯でデビューするニューカラーのオレンジ色のスパイクへの注目も集めながら、力も発揮し、目指すはアジアの頂点だけだ。

 今年の最大の目標はアジア杯とブンデスリーガの2冠。間もなくひとつ目のタイトルをかけた戦いが始まる。(取材協力 アディダスジャパン)

(取材・構成 吉田太郎)
香川真司選手インタビュー記事は本日より4日間連続で掲載予定です。

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