本田圭が日本代表通算1000得点
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元祖“持っている男”本田圭佑(CSKAモスクワ)が、日本代表の通算1000得点目となるPK弾を決め、ザックジャパンに勝利をもたらした。
1-1で迎えた後半37分、岡崎慎司(清水)が倒されて得たPKのチャンス。ボールをセットしたのは本田圭だった。
「流れからしたら俺かヤットさんだった」
長らくPKキッカーを務めてきた遠藤保仁(G大阪)を探したが、背番号7の姿は意外にもセンターサークル付近にあった。
「ヤットさんが遠かったので俺が蹴った。GKを見て蹴ろうと思ったのだけど、動かなくて…。(GKに)当たるかなと思ったけど、危なかったけど、ラッキーゴールで入ったのでよかった」
その言葉通り、本田圭がゴール正面に蹴り込んだボールは、GKの足をかすめながらもどうにかネットを揺らしたもの。一瞬ひやりとしたが、終わってみれば決勝ゴールというあたりが、“持っている”男たるゆえんだろう。
24歳の誕生日の翌日にあった昨年6月14日のW杯南アフリカ大会初戦のカメルーン戦。1-0の決勝ゴールを決め、「誕生日の翌日なので、持っているなと思った」とコメントした。
その後、早大野球部主将の斎藤佑樹が「僕は持っている人間であることを確信した。それは仲間です」と発言したことが大きな話題を呼び、2010年の流行語にも選ばれたが、最初にこの言葉を電波に乗せたのは紛れもなく本田圭だ。
1923年5月23日に生まれた日本代表初ゴールから88年。区切りの1000得点を決めたのは偶然とはいえ、引きの強さを改めて感じさせる。
前半、多くのチャンスを作ったのも本田圭だった。卓越したフィジカルとドリブル&パスでシリア陣内を切り裂いた。前半35分の長谷部誠(ボルフスブルク)の先制点も、起点は本田圭。内田からのパスを受けて右サイドをドリブル突破すると、マイナスのクロスに合わせた香川のシュートはGKに弾かれたが、こぼれ球を松井が巧みに落として最後は長谷部がフィニッシュした。
ヨルダン戦で足りなかった戦う姿勢を示したのも本田圭だ。前半22分には相手GKと交錯して唇から流血しながらプレー。まさにマンオブザマッチにふさわしい活躍だった。苦しみながらつかんだ白星に、「アウェーの試合はこんなものだと思っていたが、その中で勝てて良かった。この勝ち点3は大きい」と、胸を張る。
PKに関しては、コースが甘くひやりとしたのも事実であり、本田自身、「次は(遠藤に)譲るかも」と話している。だが遠藤は「圭佑が蹴ると思ったので」と、あえてペナルティーエリアに近づかずに後方へ下がったことを明かした。「ゴールに飢えている」と語っていたザックジャパンのエースに、PK職人が大役を禅譲した場面だった。
「勝ったのは大きいが、まだ何も決まっていない。サウジ戦は接戦になってもしっかり勝ちたい」とまなじりを決した本田圭。名実ともに日本のエースの座に就いた背番号18が、チームを決勝トーナメントへ導く。
[写真]PKを決めたMF本田
(取材・文 矢内由美子)
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アジア杯2011特集
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1-1で迎えた後半37分、岡崎慎司(清水)が倒されて得たPKのチャンス。ボールをセットしたのは本田圭だった。
「流れからしたら俺かヤットさんだった」
長らくPKキッカーを務めてきた遠藤保仁(G大阪)を探したが、背番号7の姿は意外にもセンターサークル付近にあった。
「ヤットさんが遠かったので俺が蹴った。GKを見て蹴ろうと思ったのだけど、動かなくて…。(GKに)当たるかなと思ったけど、危なかったけど、ラッキーゴールで入ったのでよかった」
その言葉通り、本田圭がゴール正面に蹴り込んだボールは、GKの足をかすめながらもどうにかネットを揺らしたもの。一瞬ひやりとしたが、終わってみれば決勝ゴールというあたりが、“持っている”男たるゆえんだろう。
24歳の誕生日の翌日にあった昨年6月14日のW杯南アフリカ大会初戦のカメルーン戦。1-0の決勝ゴールを決め、「誕生日の翌日なので、持っているなと思った」とコメントした。
その後、早大野球部主将の斎藤佑樹が「僕は持っている人間であることを確信した。それは仲間です」と発言したことが大きな話題を呼び、2010年の流行語にも選ばれたが、最初にこの言葉を電波に乗せたのは紛れもなく本田圭だ。
1923年5月23日に生まれた日本代表初ゴールから88年。区切りの1000得点を決めたのは偶然とはいえ、引きの強さを改めて感じさせる。
前半、多くのチャンスを作ったのも本田圭だった。卓越したフィジカルとドリブル&パスでシリア陣内を切り裂いた。前半35分の長谷部誠(ボルフスブルク)の先制点も、起点は本田圭。内田からのパスを受けて右サイドをドリブル突破すると、マイナスのクロスに合わせた香川のシュートはGKに弾かれたが、こぼれ球を松井が巧みに落として最後は長谷部がフィニッシュした。
ヨルダン戦で足りなかった戦う姿勢を示したのも本田圭だ。前半22分には相手GKと交錯して唇から流血しながらプレー。まさにマンオブザマッチにふさわしい活躍だった。苦しみながらつかんだ白星に、「アウェーの試合はこんなものだと思っていたが、その中で勝てて良かった。この勝ち点3は大きい」と、胸を張る。
PKに関しては、コースが甘くひやりとしたのも事実であり、本田自身、「次は(遠藤に)譲るかも」と話している。だが遠藤は「圭佑が蹴ると思ったので」と、あえてペナルティーエリアに近づかずに後方へ下がったことを明かした。「ゴールに飢えている」と語っていたザックジャパンのエースに、PK職人が大役を禅譲した場面だった。
「勝ったのは大きいが、まだ何も決まっていない。サウジ戦は接戦になってもしっかり勝ちたい」とまなじりを決した本田圭。名実ともに日本のエースの座に就いた背番号18が、チームを決勝トーナメントへ導く。
[写真]PKを決めたMF本田
(取材・文 矢内由美子)
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