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南米選手権に備え、ザック監督が欧州組22選手の視察に着手

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 欧州組中心で参加する案が浮上している7月の南米選手権(アルゼンチン)において、イタリアに帰国中の日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が、欧州組22人のチェックに着手したことが分かった。

 10日のスポーツ報知などによると、テクニカルアシスタントを務めるジャンパオロ・コラウッティが9日にMF松井大輔(グルノーブル)を視察した際、「監督の指示で手分けをして、欧州組22人を視察することになった。代表での起用の参考にしたいというのが今回の視察の目的だ。クラブではどのようなポジション、動きでやっているか見て来いという指示を受けた」と明かした。

 22人という数字は通常、海外遠征や公式戦に参加する際の招集人数とほぼ同数(22-24人)。額面通りに受け取れば、国内組は呼ばずに、今回リストアップされた欧州組22人だけで参戦する可能性が高いことを意味する。

 南米選手権については、当初は東日本大震災によるリーグ戦中断に伴い、大会が行われる7月にリーグ戦の日程を組み込んだため、代表選手の招集にJクラブ側が反発。日本サッカー協会も理解を示し、小倉純二会長が主催する南米サッカー連盟や開催国のアルゼンチンサッカー協会に出向いて、参加辞退の申し入れを行った。

 しかし、アルゼンチン協会のフリオ・グロンドーナ会長からは「コパ・アメリカを日本のための大会にしてもいい。日本を特別に迎えるプロジェクトはすでにスタートしている」と震災被害にあった日本を勇気づける意味でも参加してほしいと再検討を要請されたうえ、FIFAの副会長という立場を利用し、FIFAのブラッター会長に電話。「もし日本の代表チームに欧州でプレーしている選手が必要なら、南米サッカー連盟が責任を持って選手の(クラブからの)リリースを保障する」と本来はない欧州組の招集の“優先権”確保にまで奔走してくれた。

 これを受けて日本協会側はすぐに欧州各国の1部リーグ・2部リーグに所属する選手、14ヵ国28人のリスト(詳細)を作成。これをもとに南米選手権のメンバーを選考する案を固めたが、イタリアに帰国中のザッケローニ監督がその中から22選手に絞り、さっそくコーチ陣に視察するよう指示を出したのだ。もちろん、自らも出向いてチェックする。

 スポーツ報知によると、ベルギー3部ロイヤル・オリンピック・シャルルロワのGK林彰洋やスペイン3部サバテルのFW指宿洋史も視察する可能性があるという。南米選手権に正式出場するかどうかは11日の理事会や12日のJ1実行委員会などで協議されるが、現場側は参戦に備えて動き出した。

(文 近藤安弘)

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