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「シュウォーツァーの次はチェフ」、初先発の李が名手からの“連弾”誓う

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 日本代表は6日、7日のキリン杯・チェコ戦に向け、試合会場の日産スタジアムで公式練習を行った。左かかと痛のFW前田遼一(磐田)はこの日も別メニュー調整で、チェコ戦出場は絶望的となった。

 アルベルト・ザッケローニ監督は練習後の公式会見で「明日の午前中まで状況を見てみるが、前田に関しては明日の試合は難しいと思っている。かかとのところに炎症があるのが原因」と説明。「明日は3-4-3でやろうと思っている」と、1日のペルー戦(0-0)に続いて新システムをテストすることも明言し、前田に代わる1トップには国際Aマッチ初先発となるFW李忠成(広島)の抜擢が濃厚となった。

「明日、試合に出られるとすれば、最大のチャンス。このチャンスをしっかりものにできるようにしたい。日本代表の国内試合に先発で出られることを自分のサッカー人生のプラスにしていかないといけない。体調は万全なので、すごい楽しみです」

 李はそう言って目を輝かせた。1月のアジア杯で日本代表に初招集され、グループリーグ初戦のヨルダン戦に後半開始から出場し、A代表デビュー。その後は出場機会に恵まれなかったが、1月29日のオーストラリアとの決勝に延長前半8分から途中出場すると、延長後半4分に決勝点となる左足ボレーを叩き込み、一躍、時の人となった。

 アジアを代表する名手であるGKシュウォーツァー(フルハム)が一歩も動けなかった芸術ボレー。明日対戦するチェコのゴールを守るのは世界トップレベルのGKチェフ(チェルシー)だが、「世界でも有数のGKだと思うので、そのGKから点を取りたい。こないだはシュウォーツァーだったので、今度はチェフから取りたい」と、むしろモチベーションを高めている。

 3-4-3の戦術理解に苦労する選手も多い中、センターFWに求められる役割はシンプルだ。「監督にはFWの役割、FWの動き方をしろと言われている。FWに関してはハッキリしている」と李も言う。ゴール。それしかない。

「フィニッシャーだと思うし、よりゴールに近いポジション。決定機をしっかり決めることがFWの役割。ワンチャンスをものにすることを試合中は考えたい。1試合1点取ればFWは評価される。中盤のことは(本田)圭佑やオカ(岡崎)に任せて自分はゴールを考える。チャンスをものにしたい」。チームをアジアの頂点に導いた、あのゴールから129日。再び日本中を歓喜に包み、ザックジャパンに“李忠成あり”というところを見せ付ける。

[写真]国際Aマッチ初先発が濃厚となったFW李忠成(5月31日撮影)

(取材・文 西山紘平)

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