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茨田が山村の代役候補一番手として出場も、「今日のプレーでは自信がない」

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[10.19 練習試合 U-22日本代表候補3-1町田ゼルビア 町田]

 悔しい気持ちでいっぱいだった。試合を振り返ると、反省ばかりが頭に浮かんだ。MF茨田陽生(柏)は怪我で長期離脱することになったMF山村和也(流通経済大)の後釜として期待され、町田ゼルビア戦では主力組と見られる1本目にボランチで先発したが、「このチームには2回くらい参加しましたけど、これまでで一番、自分の中では自信を持って残れるとは言えない状態です」と肩を落とした。

 持ち味はパスワークと運動量。しかし、この日はあまり見せ場を作れなかった。チームからはまず守備的な役割を求められており、それを意識するあまり、自分の良さが出せなかったという。「このチームは、パス(能力)よりも守備が大前提。自分は守備は得意ではないけど、しっかりそこで、チームの一員として戦わないといけないと感じた。守備に気を取られて自分の特徴が出せなかったと思います」と吐露した。

 コンビを組んだのがU-16などアンダー世代で一緒にプレーしたMF扇原貴宏(C大阪)だっただけに、余計に悔やまれる。「16くらいからアンダー世代でけっこう一緒にやっているので、相性的にはいいと思うんですけど……。2人でコミュニケーション取ったり、前線ともコミュニケーションを取って、行くのか行かないのか、しっかりと自分たちでコントロールしないといけないけど、自分たちがコーチングしてどうこうというのが少なかった。だから流れがわるかったのかなと思います」と反省を口にした。

 MF山村和也が怪我で年内の復帰が難しいため、ボランチがやや手薄になっているU-22日本代表。今回の候補合宿ではその代役探しの意味もあり、本人も自覚していた。「山村くんが怪我をして呼ばれたのはのは事実だと思うし、山村くんの変わりにじゃないけど、自分のプレーで代表に残りたいと思っていた。もっと良いプレーをしたかった」と思いを明かした。

 とはいえ、茨田は現在、J1で首位をいく柏レイソルの準レギュラー選手。実力が高いからこそ、チームで起用されているわけだし、今後、厳しい戦いを経験していく中で、急成長する可能性もある。茨田は「J1であれだけ強い相手と戦って、首位を取れているチームにいる。その中で自分もある程度、試合に関わっているので、自信はありましたけど、まだ自分の力が足りないのかなと思った」と控えめだが、今季リーグ戦22試合の経験は大きなもの。そこに関塚監督も期待を寄せている。

「まずは、チームでスタメンを張れるように練習からしっかり自分の特徴であるパスとか、そういうところをどんどん出していきたい。自分がピッチで出せれば、代わりの扱いだろうが、また代表に呼ばれる思う。呼ばれたときにはしっかりと自分のプレーをして代表に残りたい。とにかく、今日のプレーでは自信がないので、やっぱりチームの練習で、一から自分のプレーを見直して、課題の守備を強化してかないといけないなと思いました」

 茨田はチーム練習で持ち味を磨きつつ、課題の守備面を強化することを目標に掲げた。リーグ戦で首位キープ、そしてJ1制覇に貢献することが、自身の成長につながり、そして目標としているロンドン五輪出場につながると信じている。この日の悔しさをエネルギーに替え、11月の五輪予選2連戦(23日バーレーン、27日シリア)に向けて再度、アピールを続ける。

(取材・文 近藤安弘)

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