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代表初選出の高橋「思っていた以上に細かい」

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 練習開始と同時に、3-4-3の布陣に選手たちを並べ動き方を確認したアルベルト・ザッケローニ監督。A代表初選出となったMF高橋秀人(F東京)は、MF柏木陽介とともにビブスなしチームのボランチに入り、3-4-3での動き方を体に染み込ませた。「まだ代表で評価されるほどのパフォーマンスを出せていないと思ったので、今回の選出にはビックリしています」と話したが、初日の練習から貪欲に多くのことを吸収していった。

「それぞれの役割が思っていた以上に細かく、求められることが繊細だなという印象を受けました。こういうシチュエーションのときは、こういうルールを守ってというプレッシングのかけ方の部分で、思っていた以上に自由がないというか、与えられた駒としての役割を全うするんだという印象を今日は持ちました」と高橋は振り返る。

 指揮官が「1回や2回の練習でできることではない」と話す3-4-3のシステム習得についても、まだ時間が必要だと自身も感じている。「頭を整理して、クリアにしないと、何をやっていいのかわからなくなると思います。その一方で、チームに求められることばかり気にし過ぎて、本来の持ち味が出せなくなっても意味がない。その両立を求めながらやっていきたい。そのためにも、まずはベースとなるチームのやり方を頭に入れたい」と強い意欲を語った。

 攻撃面については、今季のF東京の戦い方に通じるものを感じ取った。「常に前を見るというところは、FC東京でやっていることであり、根本的な部分なので共通するところだと思いました。より全体で攻めていくところも似ていると思います」と、代表への順応に手応えも口にした。

 指揮官だけではなく、チームメイトからも学ぶつもりだ。「日本代表のボランチには、ゲームをコントロールすることに長けた選手が多い印象があります。僕はそういうところに長けている選手ではないので、同じピッチの中で遠藤(保仁)選手、柏木(陽介)選手、中村憲剛選手とプレーする中で、そういうところを絶えず吸収しながら、やっていきたいなと思います」と意気込みを語った。

 大学時代はCBとしてプレーしていたこともあり、当たりに強く、ボール奪取力も高い。また、182㎝という長身やリーチの長さも、国際舞台で武器になる。チームで求められる役割をこなすことができれば、日本代表に定着することも十分に可能だろう。

 代表に合流してからは、ユニバーシアード代表でチームメイトだったMF山田大記やGK林彰洋と言葉を交わしたという。自身の成長に貪欲な24歳の大型ボランチは「いろいろな選手と話をして、いろいろな刺激を受けたいと思います」と目を輝かせ、宿舎に向かうバスに乗り込んだ。

(取材・文 河合 拓)

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