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4/23 日本代表 練習後の選手コメント

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 日本代表は23日、千葉県内で候補合宿・初日の練習を行った。MF山田大記(磐田)、MF高橋秀人(F東京)の初招集組に加え、DF橋本和(柏)に代わり追加招集されたDF太田宏介(F東京)ら全23選手が、約2時間にわたり3-4-3システムの確認を行った。

以下、練習後の選手コメント

柏木陽介(浦和)
―3-4-3のおさらいのような練習だったが?
「そうですね。新しいことはありませんでした。でも難しいです。守備の部分とか、難しい。サイドにいったとき、CBがSBみたいな形になるから…あれが難しいなと思って。ボランチも、ただコースを切るというより、相手のボランチも見ろという感じだったから、それを全部やってしまうと全部空いてしまう。(攻撃側が)2タッチ(という決まりだったのに)なのに1タッチでやったりしていたから、どんどん回されてしまったというのもある」
―今回の合宿中に練習試合もやるようだが?
「試合になると分からないですね。相手が大学生とかなら、カバーもできてしまうところもあると思う。でも、こういう3日間の合宿は昔はよくあったけど、最近はないので、確認するのにいい機会だと思います」
―3-4-3の狙いはリスクを冒して攻撃にいくというもの?
「そういう感じだと思う。いい奪い方をして、前と近い距離で前に行けるし、特にサイドでは数的優位を作りやすい」
―ボランチでやっていたが、バランスは難しい?
「なかなか難しいですね。今日はヒデト(高橋秀人)と組んだので、ヒデトだったら守備お任せしようかなと。でも、あのフォーメーションをやるなら俺もそこ(ボランチ)でしか出られないと思う…というか、そこでしかできないから。やることはハッキリしているし、普通にやっていきながら関係性を見ればいいと思う。まあ、やってみないと分からないなという感じです。頑張ります」

●FW清武弘嗣(C大阪)
―久々に3-4-3をやったが?
「またやり方を思い出しました。しっかりやれればいいと思う。(代表合宿全般では)難しさは別にないですが、3-4-3はもう少し理解しないといけないと思います。自分たちのものになったらプラスになると思うので、しっかり自分のものにできればいいと思います」
―五輪世代も今回は多いが?
「そうですね。少し気は楽です。でも(五輪世代でなくても)皆、優しいからなじみやすいです。ここではすべてがアピールの場だと思っていますし、しっかり代表のやり方を身につけていければいいと思います」
―2月のウズベキスタン戦はテレビなどで見たか?感想は?
「見ました。でも自分が言える立場ではないです」
―コンディションは?
「体調面の不安は全然ありません。最初の試合より動けますし、ちょっとずつ、1試合するごとに自分の調子が上がっている。シュート意識もしっかり持ちながらやりたいです」
―五輪の組み合わせ抽選が明日あるが?
「どんな相手が来るか楽しみですし、海外のことはあまり知らないですからどこが来ても驚かないです。やりたいチームは特にないです」

●FW原口元気(浦和)
―監督から指示を受けることが多かったが?
「今まで真ん中でプレーしてこなかったので、後ろから受けるボールが難しい。360度相手がいる中でやっていなかった。そういうプレーは(柏木)陽介君やマルシオ(・リシャルデス)が非常にうまいので、そこは追いつけるように努力しているのですが、現段階では、(柏木やマルシオの方が)うまいなと思う。でも、前を向けば自分の良さを出せると思うので、どうやったら前を向いて仕掛けられるか、そこが重要になってくると思います。ボールを持ったとき以外の動きがポイントになってくると思います」
―A代表、五輪代表の両方でやることについては?
「勉強になっています。ずっと外(サイドに張って)でプレーしているわけではないので、五輪代表でもA代表でも中に入ってプレーすることもあるので、そういうときに非常にいい勉強になっています。すべてプラスになっています。でもその中で早く結果を出していきたいです」
―最終予選でプレーすることや、五輪本番でプレーする意識は?
「全然ないです。1日1日、1週間ずつやっています。もちろんイメージはしていますが、今は本当にチームでやらないといけない。こうやって代表に呼ばれて来たら、求められていることはチームと全然違うので、こっちのことに頭を切り替えてやっています」
―3-4-3で大事なことは?
「ボールをもらうタイミングはどんどん突きつめていかないといけないので、どんどん練習しないといけない。このシステムに関しては、中に入るタイミングは意識してやらないといけないし、今日もけっこう言われていたので。そこですかね。ポイントは」

●GK権田修一(F東京)
―A代表の雰囲気は?
「日本のトップなので、シュート練習などを受けていても、やはりシュートの精度や駆け引きはオリンピック代表ともちょっと違うし、所属チームともちょっと違う。ここで自分がやっていくためにはもっと高みを見ないといけないなと思うのと、ここで3日間しかないので、しっかりとチームに持ち帰ってやらないといけないなと思います」
―今回は五輪世代が多い。A代表の練習は五輪チームにも生かされる?
「ここの練習は、基本的なところの動きや、ダイヤゴナルに入る時の角度とかを追及している。サコ(大迫勇也)とかはそういうところを意識したらもっと良い選手になると思う。もちろんここで生き残るのが一番いいのですが、サコはオリンピックの選手でもあるのでオリンピックで生かしてもらえればいいし、僕も含めてですが、A代表で使いたい、という選手がどんどん出てくるのもいいと思う。そうしたらセキさんは怒っちゃうかもしれないですけど(笑)。もそれくらいの気持ちで僕も来ていますし、やらないといけないと思います」
―明日(4月24日)五輪の組み合わせ抽選会だが?
「どこも強い国ですから、どこでもいいです。でも俗に言う強豪国とはやってみたいです。決勝まで行けば当たれると思いますけどね。早めに当たって、そういうところに勝って上にいければより自信になると思う。遅かれ早かれ当たるが、大会を通じて、出るからにはそういうチームとやりたいです」
―五輪世代とそういう話をする?
「そういう話はあまりしないですね。ただ、この前の松島のキャンプでは、出場国をセキさんがバーッと書きだしたので、これってすごいグループができそうじゃないか、と皆で言ってました。ブラジル、スペイン、日本、ガボン、とか。そうなったらスゲーなと。でも、アフリカの国ごとの特徴は分からない。ナイジェリアと、カメルーン、コートジボワールといっても、選手は分かるけど、その選手の特徴になっちゃう」
―1つ年上の林選手が招集されたが?
「林君はザックジャパンでは初めて。今日、話しましたが、海外に出て変わった部分があるのだなと感じました。今日は(林の)部屋に講義を聞きに行きますよ。海外での経験、苦労を聞きたいし、吸収したいです」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―以前もやった3-4-3の確認だったが?
「こうなるのはある程度仕方がないので、また新しい選手もいますし。3-4-3で主にやりましたけど、5バック気味にならないようにということと、しっかり追い込んだ中でディフェンスをする。その約束事があらためて頭に入ったので、良かったと思います。今の段階では(3日目の)練習試合で(3-4-3を)やるかやらないかわかりませんが、やった場合はしっかりそれができるようにしたいなと思います。
―3次予選が終わっての印象は?
「ウズベキスタン戦はあまり良い内容ではありませんでしたが、良い内容ではない試合はあるわけで、あまり気にする必要はないと思います。自分たちの形を崩さずに、自分たちのサッカーをすればと思っています。その時のコンディションにもよりますが、今回は国内組だけですけど、国外組も合わせて、またしっかりとやることが確認できれば良いと思います。自分たちの戦い方に自信を持てばいいのかなと思います」
―最終予選については?
「最終予選はホームが2つ続きます。全部の試合をもちろん勝ちに行くので、良いスタートを切ることも大事ですし、ホームでしっかり勝ち点3を取ることが、今の一番の目標なので。まだ先は長いですけど、一人ひとり高い意識を持って、やって良ければいいと思います」
―組み合わせについては?
「別に特にないです。オーストラリアだろうが、イラクと一緒(のグループ)だろうが。W杯に行くためには、どの試合も負けられないので、あまり気にもしていませんし、そのときの良い所、悪い所を頭に入れて戦うだけです」

●DF今野泰幸(G大阪)
―3バックの右に入ったが?
「少し戸惑いました。役割が全く別だから」
―意識することは?
「とにかくチームとして、横ズレを早くしないといけない。どこかで逆サイドに振られたときに、かなり相手に良い状況で仕掛けられてしまうので、本当に横ズレが問題になると思う。(3バックの)サイドをやるにしても、センターをやるにしても。
―サイドに振られたときは?
「一人でも追い込む。振られたときにフリーで(クロスを)上げさせたくない。フリーだと質の良いボールが入ってしまうので、そこが重要だと思う。サイドのセンターバックのときは」

●MF山田大記(磐田)
―3-4-3は頭に入った?
「今回のこういう練習では大丈夫ですが、実戦で相手がいれば分からないことが出てくると思います。その分、周りの選手たちとのコミュニケーションを自分からとってやっていきたいですね」
―代表のレベルは?
「実戦形式でやっていないのですが、前の方(3トップの左)をやった印象では、ボールを持っている選手が動き出しを見てくれている感じはします。試合中も良い動きをすれば、パスが出てくるだろうなと。ジュビロでも駒野(友一)さんが良い動きをすれば、ボールを出してくれるので、そういう選手がたくさんいるなという感じはしています」
―やっていける手応えは?
「まだまだそういう練習もしていないのですが、評価するのは監督を含めてスタッフだと思うので、自分ができることをしっかりとやって、吸収できることを吸収していきたいですね。あとはチームに戻って頑張るだけかなと思います」
―早く実戦をやりたい?
「そうですね。でも、今日みたいに時間を割いてやる練習も必要です。僕は初めてなので、みんなは理解できているけど、僕は理解できていないことはたくさんあると思うので、そういう意味では、実戦ではなかったですけど、新しい学びという点では、本当にたくさんのことが学べたので、本当に良かったなと思います」
―ジュビロとの違いは?
「今日は3-4-3の練習だったのですが、そもそもフォーメーション自体やったことがなかった。ただ、攻撃面で同サイドにボールが入った時のスライドの仕方、そこは違いはないかなという感じがします。でも、本当に細かく言ってくれるので、分かりやすいですね。それを基礎に、あとは自分でプラスアルファをしていけばいいのかなと思います。ゲームになると、また難しさもあると思います」
―3-4-3をやってみて?
「相手がいないので何とも言えませんが、自分は前の方をやるので、いろいろなボールの引き出し方ができると思うので、プレーの幅が広がって、楽しそうだなと思いました。それとオフ・ザ・ボールのところは、ある程度システム上の利を生かさないといけないと思います。オフ・ザ・ボールのときは守備においても攻撃においても、言われていることを忠実にやりながら。ボールを持ったときは、個の判断だと思うので。もちろん、こういうところは見ろということは言われていますが、やっぱりボールを持ったら自分の特徴を出していきたいですね」
―切り替えの早さが求められるが?
「切り替えが遅れると致命傷になりますが、切り替えの早さとかは、今までのチームでも求められてきたのでそんなに新たにっていう感覚はないので、そこは大丈夫だと思います」

●DF酒井宏樹(柏)
―練習後に個人面談していたが?
「(特別に)期待されているという感じはないですよ(笑)。分かりやすく教えてもらったので、ちゃんと理解しないといけないなと思いました。レイソルの事は置いておいて、代表では代表の事をやってほしいということを言われましたね。ちゃんとやることをやれば、評価してもらえると思います」
―やり方は全然違う?
「プレスのかけ方から、全部違う。勉強になります。今回を機会に、早く理解できればいいと思います。今日は難しかったですね。監督が思っているところまで、まだ行っていないと思います。Jリーグに戻ったら、レイソルのサッカー、代表にいるときは代表のサッカーをできるようにしたい」

●DF太田宏介(F東京)
―監督と話ができた?
「チームのやり方だったりを聞けました。昨年の合宿では参加するだけになっていたのですが、初日に自分から監督に聞きに行けて、直接話しができたことは良かったです。たまたま良いタイミングで(監督が近くに)来てくれたので良かったですね」
―3-4-3は前もやった?
「僕は3-4-3はやったことがない。前回のときは4枚だった気がするので」
―持ち味が出せる?
「そうですね。前にガンガン行けると思うので楽しみです。ミーティングでも、言っていることは昨年と同じだったし」
―代表はレベルが高い?
「やっぱりうまいっすね。明日からはもっと感じると思います。そのぶん、楽しいです」
―新たな発見は?
「3-4-3はすべてが発見といえば発見です。でも、特別大きな変化はないと思うので。片方のサイドが前に行ったら、もう一方は絞るとか。そういうシンプルなことをちゃんと徹底しています。そういうところに変わりはないので、特別な戸惑いとかはありません」
―おとりになる動きも求められるが?
「おとりになるプレーは、ボールが来なくても、自分的には好きだし、それが自分の特徴でもあると思います。自らアクションを起こさないとできないと思うので、あのポジションは」
―SBとSH、守備での違いは?
「SBのときは自分の前にいる選手が全部見えますが、SHのときは自分の後ろのポジションの選手がいます。その選手とのコミュニケーションが大事だと思いますし、自分がとるポジションが大事になってくると思います。わからないこともありますが、今日だと槙野(智章)とかとうまく話してやることができたし、一つひとつ勉強しながら、そのポジションが自分のポジションになるようにやっていきたいと思います」

●MF高橋秀人(F東京)
「代表でやること、求められていること、それぞれの役割が思っていた以上に細かい。求められることが繊細というか、そこを外してほしくない、ベースの部分が本当に刺激的です。ボランチのボールの受け方だったり、誰が幅を取るのかだったり、こういうシチュエーションの場合はこういうルールを守るっていうプレッシングのかけ方の部分で、わりかし自由がないというか、与えられた駒の役割を全うするっていう印象を今日は持ちました」
―ザック流3-4-3に発見は?
「いろんな雑誌でこと細かくこうだっていうのは見てきたつもりですが、予想以上に手振りをまじえて言われることは、少し範囲を越えていたと思います。イタリア人監督らしくて、守備の規律っていうのは、全員が順守しないといけないところだと、理解しないといけない。でも、攻撃においては、幅を取ること以外は、常に前を見るというところはFC東京でやっていることであり、根本的な部分なので、共通するところなのかなと思いました」
―サイドの人のかけ方は新しい?
「そうですね。相手にかかわらず、全員の10人、11人の距離感とフォーメーションの形にこだわっている監督で、どこで数的不利ができるのか、数的優位でボールを奪いに行くのかっていうのは、アップの最初の段階で感じて、面白いなと思いました」
―逆サイドは捨てる感覚?
「まずは先ほど言った10人、11人の距離感をとって、うまく形にはめ込む。そこでの連動の仕方が、すごいというか、細かいっす。連動の仕方の部分では、これがはまったら、絶対に自分たちはサッカーで失点することはないなと思えたり、相手に裏を取られることもないと感じました。相手にボールを持たれたとしても、ボールを回させていて、いつでもボールを取れるんだぞっていう雰囲気が出る。もし、それができたら、主導権を握っているんだぞという守備の確認だったので、面白味はありました」
―日本代表のボランチのイメージは?
「選択肢を常に持っていながら判断を変えたりとか、前が空いているけど、チームを落ち着かせるための横パスを入れたり、ゲームをコントロールすることに長けた選手が多い印象です。でも、僕はそういうところに長けている選手ではないので、同じピッチの中で遠藤(保仁)選手、柏木(陽介)選手、中村憲剛選手とやる中で、そういうところを絶えず吸収しながらやっていきたいなと思います」
―監督にどこを評価されたか聞いた?
「聞けなかったです。まずは前を見ることとボールの受け方を言われて、お疲れ様でしたと言われたので。明日、明後日で聞きたいなと思います」
―どこを評価されたと思うか?
「そこは僕が一番聞きたいけれど…。ボールがさばける選手が多い中で、ボールを奪ったり、穴を埋めるためのカバーの動きは常に意識しています。そこを評価されたんだろうなと思っていますが、まだ代表で評価されるほどのパフォーマンスを出せていないと思ったので、今回の選出にはビックリしています」

(取材・文 矢内由美子、河合拓)

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