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千葉合宿最終日 練習試合は5-1で勝利

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 日本代表は25日、千葉県合宿の最終日を迎え、明治大との練習試合(45分×2本)を行った。今合宿で取り組んだ3-4-3を採用した日本代表は開始早々にMF森脇良太の得点で先制し、前半を2-1で折り返す。メンバーを入れ替えた後半はFW前田遼一が得点を挙げると、その後も2得点を挙げて3-0。前後半の合計スコアを5-1として勝利した。試合を終えたアルベルト・ザッケローニ監督は「選手たちは3日間をとおして、素晴らしい姿勢で取り組んでくれた」と手応えを口にした。

 日本代表の前半のスターティングメンバーはGK権田修一、最終ラインに右から徳永悠平岩政大樹伊野波雅彦。中盤も右から森脇、中村憲剛柏木陽介太田宏介。FWが藤本淳吾大迫勇也山田大記が並んだ。

 開始早々、森脇がドリブルで持ち込むと、PA外から左足シュートを決めて日本代表が先制する。その後も左サイドで山田と太田の連係から、ゴール前にボールを運ぶ場面もあったが追加点は挙げられない。逆に23分には数的不利になった中央を明治大に破られて、失点を喫してしまう。

 なかなかチームで連動して崩せなかった日本だが、30分には右サイドの徳永がゴール前に入れた早いグラウンダーのボールを、ゴール前で大迫、山田がスルー。相手DFを完全に引き付けると、後方からスペースに走り込んでいた柏木が決めて、リードを広げた。その後、ピンチもあったが途中出場したGK西川周作の好守もあって、2-1のまま前半を終了した。

 後半に入ると、日本代表はメンバーを大幅に入れ変えた。スタート時の並びはGK西川、最終ラインは今野泰幸岩政大樹槙野智章、中盤は右から酒井宏樹高橋秀人遠藤保仁駒野友一。FWに右から清武弘嗣前田遼一原口元気が並んだ。

 立ち上がり9分に前田が相手DFからボールを奪い、そのままゴールを決める。その後、明治大も16分、18分と細かいパス回しからシュートに持ち込むなど、チャンスをつくり出した。それでも地力に差のある日本代表は、同28分に前田、清武とつながったボールを右サイドの酒井に展開。酒井がドリブルでボールを持ち上がり、折り返しを前田が決めた。

 同29分に日本代表は、岩政を外して伊野波を再びピッチに戻す。今合宿では最終ラインの右に入り続けていた今野を中央に入れ、右に伊野波を入れた。またGKも林彰洋に変更した。終了間際にも、前線で清武が相手のパスをカットすると、原口と息の合ったコンビネーションを見せて後半の3点目を記録。日本代表が前後半合計5-1で勝利した。

 合宿の締めくくりとなる練習試合を終えたザッケローニ監督は「スタートポジションの取り方については、思った以上にできていました。その後の展開は思うようにうまくいかなかったが、ある程度は仕方がない」と、収穫と課題を口にした。

 とはいえ、この試合でも個人の力で局面を打開した場面が多く、チームとして崩し切る場面は少なかった。遠藤は「(4-2-3-1と3-4-3の)2つのシステムを併用するのは理想ですし、相手によって選択肢があるのは良いと思います。この合宿で全員の理解度は上がったと思いますが、現時点では(3-4-3を)実戦でやるのはまだ無理だと思う」と話すように、まだW杯最終予選で即通用する状態には仕上がっていない。

 指揮官も「与えられた時間を考えると、今後、戦術を強化していく時間はなかなかない」と苦しい胸の内を語るが、「第1戦でも、状況によっても3-4-3を使う可能性がある」と話し、今後の代表合宿でも、時間の許す限り、オプション布陣である3-4-3の精度向上に取り組むことを明言している。

(取材・文 河合拓)

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