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最終予選へ海外組12人で始動、本田「3次予選は本番に程遠かった」

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 日本代表は25日、W杯アジア最終予選・オマーン戦(6月3日、埼玉)に向け、海外組12人のみで埼玉県内に集合し、合宿をスタートさせた。大学生のGK2人を加えた14人での初日の練習。23日のアゼルバイジャン戦(2-0)で腰を痛めて交代したFW森本貴幸(ノバラ)は別メニューで調整した。アゼルバイジャン戦に招集されなかったDF吉田麻也(VVV)とFWハーフナー・マイク(フィテッセ)も合流。国内組は27日以降に順次合流する。

 ブラジルW杯に向けた真の戦いが始まる。新背番号4を付け、アゼルバイジャン戦で約9か月ぶりに代表復帰したMF本田圭佑(CSKAモスクワ)はきっぱりと言い切った。

「俺の中では、3次予選は本番には程遠かった。最終予選が(11年1月の)アジア杯以降、初めての公式戦と認識している」

 2試合を残して最終予選進出を決めたアジア3次予選。「やっているときは公式戦のつもりだけど、結果的にそこまで難しいゲームではなかった。バタバタして、パニックになるようなこともなかった」。そう振り返ったうえで、最終予選に向けては「(初戦の)オマーン戦も軽くいけるなんて思ってない」と気を引き締める。

 北朝鮮、ウズベキスタン、タジキスタンと同組だった3次予選。4試合を3勝1分で切り抜け、2試合を残して最終予選進出を決めた。ところが、“消化試合”となった昨年11月15日の北朝鮮戦(0-1)、今年2月29日のウズベキスタン戦(0-1)は2連敗。「あれがメンタルですよ」。本田は“教訓”としてラスト2戦を位置づける。

「みんな手を抜いているつもりはないけど、結果、負ける。みんな全力は出しているけど、なぜなら(最終予選進出が)決まっていたから。隙は自分が気づかないところで見せている」

 だからこそ、同じ失敗は繰り返せない。オマーン戦に向けても「大事なのは体のコンディションより気持ちのところ。自分的にOKと思っていても、実際はOKじゃないことが今までもあった」と指摘する。「本番では11人のメンタルが混じり合う。全員がかみ合ないといけないし、だれか一人でも緩いと、ガタガタといく。それは許されない」。そう力説した本田は、どこかで“スイッチ”を入れる必要性を口にした。

「あえてパフォーマンスしないといけない日もある。怒るということではなくて、あえて(チームメイトと)しゃべらないこともそうだし、逆に絡みにいくのもそう。状況に応じて違うし、そこはまだ見い出せていない」

 試合の2日前か、3日前か。そのタイミングを今は計っている。「自分はだいたい2日前だけど、みんな違うから、その兼ね合いが難しい。ギリギリまでリラックスしている選手もいるけど、そこに合わせるとストレスになる。でもチームの雰囲気も大事。そこをうまくやっていきたい」。直前まで各国のリーグ戦を戦い、アゼルバイジャン戦もこなした欧州組にとって、体のコンディションに不安はない。あとはメンタルの面をいかに高め、かつチームが一丸となるか。オマーン戦まで、あと9日。ザックジャパンを引っ張る新背番号4は、徐々に“戦闘モード”へ入っていく。

(取材・文 西山紘平)

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