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通算1000万人を集めた浦和、2点のリードをF東京に追いつかれる

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[8.4 J1第20節 浦和 2-2 F東京 埼玉]

 ホームの埼玉スタジアムに34、267人の観衆を集めた浦和レッズは、Jクラブ史上初となる通算1000万人の集客を達成した。FC東京をホームに迎えた記念すべき一戦だったが、2点のリードを守り切ることはできなかった。11分に左WBで起用されたMF宇賀神友弥の強烈なミドルシュートで先制した浦和は、35分にもMFマルシオ・リシャルデスが追加点を挙げた。後半に入るとアウェーのF東京が布陣を3-5-2に変更し反撃に出る。DF椋原健太、MF長谷川アーリアジャスールの得点で同点に追い付く。その後もF東京が優勢に試合を進めたが、試合は2-2のままで終了し、勝ち点1を分け合った。

 ハーフタイムに選手、布陣を変えて流れを変えたF東京のポポヴィッチ監督は「単純に勝つために、点を取りに行くためのシステム変更でした。布陣を3-5-2に切り替えたことで、選手同士が良い距離、ポジションを保ってボールを動かすことができました。ただパスを回すだけでなく、シュートを打つ。相手にとって危険な動きができたと思います」と内容に手応えを口にした。

 この試合、3位の浦和は出場停止でMF柏木陽介を欠き、2列目にMF梅﨑司を起用。梅崎が務めていた左WBに宇賀神を入れ、右WBにはMF平川忠亮が2試合ぶりに起用している。一方のF東京はGK権田修一、DF徳永悠平をロンドン五輪で欠き、右SBにDF加賀健一、最終ラインにMF登録の高橋秀人を置いている。

 前半2分、浦和は最終ラインからパスをつなぎ、DF槙野智章が最初のシュートを放つ。3分には右WBの平川が縦に仕掛け、椋原のファウルを誘いFKを獲得。さらに椋原にはイエローカードが示された。11分には平川の仕掛けからCKを獲得すると、F東京のショートCKへの対応が遅れる。平川が中に入れたボールはDFがクリアーしたが、宇賀神がボールを回収し、強烈なシュートを叩き込み、浦和が先制した。

 同13分にはF東京もFW渡邉千真がDF坪井慶介をかわし、強烈なシュートを蹴り込む。GK加藤順大が弾いたボールに、MF田邉草民も詰めたが、DFに体を寄せられシュートを枠に飛ばすことはできなかった。その後もF東京はパス回しからMF石川直宏や渡邉が最終ラインの裏を狙うが、パスの精度を欠き、決定機をつくることができない。同27分にはルーカス、田邉とつながったボールを渡邉がシュートしたが、ボールは右に外れて行った。

 1点を先制した浦和は、両WBも最終ラインに入り、5バックのような形でF東京の攻撃を受け止める。なかなかボールを前に運べなかった浦和だが、33分には人数を掛けたパス回しから、梅崎がPA内でシュートに持ち込んだが、ボールはGK塩田仁史の正面に飛び、キャッチされた。

 それでも35分にはMF鈴木啓太のロングボールから最終ラインの背後を取った梅崎が折り返すと、ゴール前に詰めたマルシオ・リシャルデスがボールをゴールに流し込み、浦和が2-0とリードを広げる。その後もF東京にチャンスをつくらせず、浦和が主導権を握ったまま前半を折り返した。

 後半開始と同時にF東京は渡邉を下げ、ルーカスを1トップにし、ボランチでスタートしていたMF長谷川アーリアジャスールをトップ下に動かす。渡邉に代えたDF中村北斗をボランチに入った。同12分には中村のミドルシュートがゴールマウスを捉えたが、GK加藤にキャッチされる。同14分にF東京は田邉を下げ、MF梶山陽平を起用する。

 この交代が、すぐに得点を生む。梶山のボールキープから長谷川、右の石川とつながり、折り返しを椋原が飛び込み、J1初となるゴールで1点を返した。17分には浦和もFW原口を下げて、FWポポを投入する。しかし、流れは変えられない。

 後半19分には石川からPA内に走り込んだ長谷川がボールを受けてシュートを放ったが、GK加藤にブロックされる。同27分にもF東京は左足で梶山がゴールを狙ったが、ボールはGKの正面に飛んだ。それでも、その直後にF東京が同点に追い付く。長谷川がダイレクトで入れた縦パスを石川が右に流す。これをPA内で受けたルーカスのキープから走り込んだ長谷川がボールを受けて、ゴールネットを揺らした。

 そして、F東京は残り時間が8分を切ったところで石川を下げ、元浦和のFWエジミウソンを投入する。浦和も後半42分にFW田中達也を入れて、最後の交代枠を使い切った。その1分後には田中のクロスがDF高橋秀人の腕に当たったが、村上伸次主審は笛を吹かずにプレーを流した。

 後半ロスタイムには、浦和の守備のバックパスをさらったエジミウソンにシュートチャンスが訪れるが、ボールを枠に飛ばすことはできない。浦和も田中を中心に最後まで攻めたが、互いに決勝点を挙げることはできずに2-2のドローで試合は終了した。

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