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自動昇格を争う湘南と東京Vは互いに譲らず1-1のドロー

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[8.19 J2第29節 湘南 1-1 東京V BMWス]

 J2第29節は19日、各地で11試合を行い、BMWスタジアムでは3位の湘南ベルマーレと2位の東京ヴェルディが対戦し、1-1の引き分けに終わった。後半11分に湘南はFWキリノのゴールで先制する。対する東京Vも同31分に5日前に清水から期限付き移籍で加入したばかりのFWジミー・フランサが、CKから同点ゴールを挙げた。その後も湘南はチャンスをつくり続けたが決定機を生かせない。終了間際には東京Vもチャンスをつくったが、最後の場面で体を張った湘南の守備から点を挙げることはできずに、1-1で90分を終えている。

 湘南はキリノが2試合ぶりに先発でピッチに立った。対する東京Vは2試合出場停止だったDF深津康太がスタメンに復帰。FWアレックスが、今シーズン初めてスタメン出場を果たした。

 上位を争う両チームの一戦は、立ち上がりから互いに激しく主導権を奪い合う。先に決定機をつくったのは、ホームの湘南だった。前半14分、FW古橋達也のCKをWB高山薫が受けて、古橋にリターン。古橋がダイレクトでゴール前に入れたボールをDF大野和成がヘッドで合わせたが、ボールは右に外れて行った。

 ボールの収まりどころが見つからない東京Vに対し、出足の良いプレスを見せる湘南が攻勢に出る。21分には左サイドの高山から中央のMF菊池大介を経由し、右WB古林将太がゴール前に折り返すが、キリノ、古橋には合わなかった。

 前半25分には湘南にアクシデントが起きる。MF坂本紘司が負傷し、MF下村東美をピッチに送り出した。同30分には、東京Vの深津がFWキリノとヘディングした際に接触し、出血して担架でピッチ外に運ばれる。深津は一度ロッカールームに戻り、ユニフォームを着替えてピッチに戻った。

 38分には湘南が、自陣でクリアーしたボールを速攻につなげる。キリノが最終ラインの背後に走り、シュートを打ったが、ボールは深津にブロックされる。そのこぼれ球を拾った菊池がゴールを狙ったが、DFに当たったボールは右に外れて行った。その後は中盤でのボールの奪い合いが続いたが、前半終了間際には湘南がCKからチャンスを得る。しかし、キリノのヘディングはボールを捉えきれずに、GK土肥洋一にキャッチされた。

 前半を0-0で折り返して迎えた後半は、立ち上がりから東京Vがポゼッションでは上回る。MF柴崎晃誠がシンプルに前にボールを付けて、攻撃のリズムをつくるが、前線でFWが1対1に勝てずになかなか決定機はつくれない。

 逆に後半11分、先制したのは湘南だった。下村が柴崎のシュートをブロックしたところから、ロングカウンターに出る。右サイドでボールを受けたキリノがPA内までドリブルを仕掛けるとシュートはDFに当たり、ワンバウンドしてゴールネットを揺らした。キックオフから再びボールを奪った湘南は、ゴール前までボールを運んだが、シュートは東京VのDFにブロックされて、追加点は挙げられなかった。

 同15分には東京Vがアレックスに代えて、清水から獲得したジミー・フランサを最前線に入れる。さらに19分にもDF刀根亮輔を下げて、MF中後雅喜をボランチに入れ、和田拓也を左SBに下げた。中盤の底に攻撃の起点となれる選手を2人置いた東京Vだったが、攻撃に時間がかかる間に人数をかけてゴール前を固める湘南を崩すことができず、シュートまで持っていけない。

 逆に速攻からフィニッシュまで持ち込む湘南は、26分に右サイドから古林が入れたクロスをゴール前で菊池が合わせたが、シュートはわずかに右に外れる。ここで湘南はキリノを下げて、MFイ・ミンスを2列目に送り出し、古橋を最前線に上げた。27分には、そのイ・ミンスがゴール正面からミドルシュートでゴールを狙ったが、ボールは右に逸れている。

 劣勢の展開を強いられていた東京Vも、右サイドのMF小池純輝を最終ラインの裏に走らせてチャンスをつくり出す。後半31分には小池のクロスはDFにブロックされたが、これでCKを獲得すると、柴崎の入れたボールにジミー・フランサが合わせて、東京Vが同点に追い付いた。

 後半35分には、両チームのベンチが最後のカードを切る。湘南はMF永木亮太を下げてMF岩上祐三を同じポジションに投入した。一方の東京Vは飯尾を下げて、DF土屋征夫を入れる。土屋を最終ラインに入れ、DF高橋祥平を左SBに置き、左SBに入っていた和田を一列前に上げた。

 後半40分には湘南が右サイドでFKを得ると、その流れから下村がボレーでゴールを狙ったが、ボールはDFにブロックされた。その1分後にも湘南は左サイドからイ・ミンスが右サイドに展開する。古林が深くえぐってマイナスに折り返したボールを、下村が再びボレーで狙ったが、シュートは大きく枠を越えた。同44分にも湘南は、右サイドの古林がPA内に走り込んだ高山にピタリとクロスを合わせる。フリーとなっていた高山は、右足を合わせたが、このシュートもゴールマウスを捉えることはできなかった。

 ロスタイムも攻め続ける湘南は、右サイドでフリーになってボールを受けた古林が縦に仕掛けてシュートを放つが、これも枠を捉えきれない。その直後には東京Vもジミーのパスから抜け出した和田がPA内でシュートを放つが、戻って来たDFにブロックされる。そこからのCKで中後の入れたボールを高橋がヘッドで合わせたが、わずかにゴールポストを越えて行った。

 両チームともにタイムアップのホイッスルまで攻め続けたが、決勝点は生まれず。試合は1-1で終わり、両チームが勝ち点1を分け合うこととなった。

(取材・文 河合拓)

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