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横浜FCが水戸に2-1で競り勝ち、勝ち点を50に伸ばす

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[8.22 J2第30節 横浜FC 2-1 水戸 ニッパ球]

 J2は22日に第30節を各地で行い、横浜FCはホームに水戸ホーリーホックを迎えて、2-1で勝利した。前半7分にFW田原豊のゴールで先制した横浜FCだったが、退場者の出た水戸に前半のうちに1点を返されてしまう。それでも、後半17分にMF高地系治が追加点を挙げて勝ち越す。試合終了まで勝ち点獲得に執念を見せる水戸の猛攻を凌ぎ切り、勝ち点3を上積みした。

 横浜FCは19日に行われた29節・京都戦(1-2)から6選手を入れ替えた。DF渡邉将基が第3節の千葉戦(0-3)以来となる先発出場を果たし、DF井手口正昭も6試合ぶりの先発出場、DF阿部巧も3戦ぶりのスタメン出場を果たしている。対する水戸はFW星原健太がスタメンに復帰した以外は、29節の大分戦(2-1)と同じメンバーでこの一戦に臨んだ。

 立ち上がりに試合は動く。前半7分、自陣から阿部が蹴ったロングボールを最終ラインの裏で受けた田原が、豪快に右足を振り抜きゴールネットを揺らす。それまでは水戸のハイプレスに苦しめられていた横浜FCだが、ロングボールで相手の背後を取り先制した。

 早い時間帯にビハインドを負った水戸は、同10分にDF吉本一謙が左ヒザを負傷。DFキム・ヨンギとの交代を強いられるなど、アクシデントに見舞われた。

 先制したことに加え、相手に急なメンバー変更も出た横浜FCは、余裕を持ったプレーを見せる。17分に細かくパスをつなぎ、MF武岡優斗がシュートを放つなど、水戸を押し込んだ。20分にもロングボールを最終ラインの裏に放り込むと、水戸のGK本間幸司がPAを飛び出して、ヘッドでクリアーする。このボールを中盤で拾ったMF高地系治が、ダイレクトボレーでゴールを狙ったが、惜しくも右に外れて行った。

 押し込まれる展開の続いた水戸も、FW鈴木隆行の力強いキープで前線に基準点をつくり反撃の糸口を探す。両SBが積極的に攻撃参加し、ゴール前にクロスを入れたが、体を張った横浜FCの守備の前に決定的なシュートは打てなかった。それでも38分にはMF橋本晃司がミドルシュートでゴールを狙うなど、攻撃のバリエーションを見せ始める。

 徐々に攻撃の形をつくり出していた水戸だが、前半43分にDF尾本敬が二枚目の警告を受けて退場となってしまう。それでも前半ロスタイム、水戸はPA内でスローインを受けた鈴木がボールをキープ。中に折り返したボールがDFに当たって跳ね返ったところをFW星原が拾って、そのままシュートを決め、1-1の同点に追い付いて前半を終えた。

 後半4分、一人少ない水戸はFWの星原を下げ、DF石神幸征をピッチに送り出した。同10分には横浜FCもMF野崎陽介に代えて、MF八角剛史をアンカーに置く4-1-4-1に布陣を変更する。風上の利と数的優位を生かして攻める横浜FCは、引いた水戸の守備に苦しめられた。それでも後半17分、佐藤の縦パスを武岡がダイレクトで叩くと、ゴール前に走り込んだ高地がボールを受け、GKとの1対1をしっかりと右足で決め、2-1と再びリードした。

 この得点直後に山口素弘監督は佐藤を下げて、FW大久保哲哉を起用し、前線の圧力を強めた。後半22分には水戸が橋本を下げて、FW山村佑樹を投入して最後の交代枠を使う。この交代で、水戸の攻撃に鋭さが戻る。同25分には鈴木がフリックしたボールに、山村が走り込んでシュートを打つなど、速攻からチャンスをつくり出した。

 後半27分には横浜FCもPA付近でボールを奪い返すと、高地がループシュートでゴールを狙ったが、GK本間が辛うじて弾き出した。その後はジャッジを巡って水戸の柱谷哲二監督が激昂する場面もあり、激しい試合展開になる。後半44分には横浜FCも田原を下げて、FW難波宏明を入れて前線の運動を活性した。

 一人少ない水戸も最後まで攻めたが、山村のシュートはDFにブロックされる。ロスタイムのセットプレーではGK本間も攻め上がり、ゴールへの執念を見せたが、同点ゴールを挙げることはできなかった。このまま試合は2-1で終わり、横浜FCが今季初となるホーム3連勝を飾り、勝ち点を50に伸ばした。

 決勝ゴールを挙げた高地は次節の甲府戦について「上位なので。勝てば確実に上位に行けると思うので。またチーム一丸となって頑張っていきたい」と、気持ちを切り替えた。また、先制点を挙げた田原も「まだ僕らは何も手にしていない。昇格という目標を達成するためにも、ハードワークを続けたい」と、前を向いた。

(取材・文 河合拓)

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