[10.6 J1第28節 横浜FM0-0広島 日産ス]

　敵地での勝ち点1を前向きに評価した。連勝が3で止まった首位サンフレッチェ広島のFW佐藤寿人は10位・横浜FMとスコアレスドローという結果に「マリノスは今季6敗しかしていない。これは自分たちと同じ負け数だし、そんなに崩れないチーム」と指摘したうえで「勝ち点3を取れれば最高だけど、大事なのはポイントを積み上げること。ポイントを上積みしていくことが最終的な結果につながる」と強調した。

　この日ナイターで行われる2位仙台、3位浦和との勝ち点差は暫定で「6」に広がった。仙台、浦和が勝てば、勝ち点差は「3」に縮まる。残り6試合。優勝争いはクライマックスを迎えるが、「残り試合が少なくなればなるほどプレッシャーも大きくなる。そういう中で自分たちが持っている力を出せるかどうか。浮き足立つことなく、地に足をつけてやっていきたい」と、あらためて決意を口にした。

「今こういう位置にいられることを大事にしないといけない。クラブとして、個人として、キャリアの中でそう多くない。自分自身、今までにないし、優勝のためにすべてを捧げる気持ちでやっていきたい」。そう言って広島でのプレーに集中する佐藤は今季、クラブのシーズン最多得点記録を更新する20ゴールで得点ランキングの首位を独走している。日本代表への復帰を待ち望む声も高まる中、欧州遠征に臨む代表メンバーにも選出されなかった。

　代表復帰を後押しする声はチーム内からも聞かれる。どれだけ結果を出しても代表に招集されない現状について、広島のチームメイトの間では「あと何点取れば寿人さんは代表に入れるのか」という話題も上るという。本人は今回の落選についても「今まで呼ばれてないので、そういうことだと思う」と淡々と話すのみ。今はチームに集中し、自身とチームの結果でザッケローニ監督を振り向かせることができるか。

(取材・文　西山紘平)