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待望の復帰を果たした横浜FC FW永井「今日はまだ第一歩」

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[10.28 J2第40節 横浜FC 3-0 草津 ニッパ球]

 FW三浦知良がフットサル日本代表に、MF小野瀬康介がU-19日本代表に、それぞれ招集された中で、横浜FCに頼れる存在が帰って来た。草津戦の後半23分に、4月15日に行われた湘南戦(2-3)以来、約6か月半ぶりの出場を果たしたFW永井雄一郎のことだ。

 FW大久保哲哉との交代で起用された永井は、トップ下に入り、幅の広いスラロームが可能にする、独特のスピードに乗ったドリブルでチャンスをつくり出した。1点をリードする中で、10人となった草津を相手に押し込まれていたが、その嫌な流れを永井がドリブルで変える。後半33分、左サイドからドリブルを仕掛けると、3人のDFを引き付けておき、前方を走ったMF野崎陽介にパスを出す。野崎がさらに右サイドに展開すると、フリーでボールを受けたFWカイオが、楽々とゴールネットを揺らした。数的不利の相手にとって、精神的ダメージも大きい2点目が決まった。

「自分が入ってチームが追加点を取ることができたのが、プラスの要素になると思うし、良かったと思う」と話す永井は、ベンチにいるときから、ドリブルで攻撃に変化を付けられると考えていた。「相手は1人少なかったですし、スペースでパスをつなぐことが多かったので、一人ぐらい前にボールを運ぶ選手がいてもいいと思っていて、出る前から考えていました。2点目の前のプレーは、前が空いていたので運ぼうと思って、前を向いたら野崎が良い形で走ってくれていたので、出すだけだった」。

 元日本代表ドリブラーの復帰を、攻守の中心選手も喜んだ。カイオは「彼のテクニックは申し分ない。一緒にやっていて気持ちがいいですし、自分たちをもっと助けてくれる選手」と言えば、かつて浦和でもチームメイトだったDF堀之内聖も「『まだ1回も一緒にピッチに立っていないね』と2人で話していたんです。こうしてやっと同じピッチに立てて、永井さんも素晴らしいプレーをして得点に結び付けてくれたので、あらためて頼もしいなと思いました」と、目を細めた。

「久々にピッチに立って、サッカーが楽しかったです」と話す永井は、6節の草津戦(1-1)で移籍後初ゴールを記録していたが、自身が出場した4試合は1分3敗と勝利がなく、この日の勝利が初勝利となった。永井がケガをしていた間、チームは最下位からプレーオフ圏内にまで浮上している。「とりあえず、ここまではケガで何もできなかったので。そういった面を含めて、今日はまだ第一歩。これからもっとチームのために仕事をしないといけない。気持ちを引き締めてやっていくだけです」と、強い決意を語り、2位を目指すチームの力になることを誓った。

(取材・文 河合拓)

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