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広島がJ1初制覇!!3大タイトルではJ開幕後、クラブ史上初の栄冠に輝く

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[11.24 J1第33節 広島4-1C大阪 広島ビ]

 広島が悲願のJ1初優勝!! J1第33節が24日、各地で行われ、首位サンフレッチェ広島はホーム最終戦でセレッソ大阪に4-1で快勝。2位仙台が新潟に敗れたため、両チームの勝ち点差は「4」に開き、最終節を残して広島が初優勝を決めた。
 前半17分、MF高萩洋次郎のゴールで先制すると、同20分にMF青山敏弘が追加点。同42分にはFW佐藤寿人のPKで3-0と突き放した。後半5分、MF石川大徳のプロ初ゴールでリードを広げると、その後1点を返されたものの、4-1の大勝で2試合ぶりの白星を獲得。今節での優勝決定の条件は広島が勝って仙台が負けた場合のみだったが、仙台が新潟に0-1で敗れたため、最終節を待たずに優勝が決まった。
 94年のJ1で1stステージを制し、08年のゼロックススーパー杯とJ2でも優勝している広島だが、J1(年間)、ナビスコ杯、天皇杯の3大タイトルに限れば、Jリーグ開幕後はクラブ史上初のタイトル獲得となった。

 広島はDF千葉和彦とMFミキッチが出場停止。3バックの中央には今年8月に水戸から完全移籍で加入したDF塩谷司が入り、J1初先発となった10月6日の横浜FM戦(0-0)以来、5試合ぶりに先発した。右MFは同じく5試合ぶり先発の石川。それ以外は前節の浦和戦(0-2)と同じメンバーだった。
 C大阪は前節の大宮戦(1-3)で負傷交代したDF丸橋祐介が欠場。代わってDF扇原貴宏が左SBに入った。また、MF横山知伸が12試合ぶりに先発。MFシンプリシオとダブルボランチを組み、MF山口螢が2列目の左サイドに入った。
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 前半6分、DF水本裕貴が思い切りの良いロングシュートでチームのファーストシュートを放ち、積極的な入りを見せた広島。同13分にもMF森崎浩司の右CKにニアサイドの佐藤が頭で合わせるなどチャンスをつくった。

 すると前半17分、ビルドアップで最終ラインまで下がっていたMF森崎和幸のくさびのパスを佐藤が落とし、高萩が縦パス。これはDFに当たったが、こぼれ球に素早く詰めた高萩が左足ダイレクトで振り抜いた。PA外からの豪快ミドルがゴールネットに突き刺さる先制点。選手たちはバックスタンドのサポーターに向かって弓矢を射るパフォーマンスで喜んだ。

 一気にたたみかける広島は直後の前半20分、佐藤のポストプレーからMF清水航平が左クロス。逆サイドの石川が体を投げ出しながらヘディングで折り返し、青山が右足ダイレクトで捉えた。弾丸シュートをゴール右隅に叩き込み、2-0。電光石火の連続ゴールで一気にリードを広げた。

 まったく見せ場のないC大阪は前半32分、足を痛めたDF酒本憲幸に代えて前節・大宮戦でプロデビューしたFW南野拓実を投入。来季トップ昇格が内定しているC大阪U-18所属の17歳をピッチに送り込んだ。南野は右サイドハーフに入り、MF枝村匠馬が左サイドへ。山口が右SBにポジションを下げた。直後の同35分には南野が左足ミドルを放ち、チーム初シュート。同38分にも扇原の左CKからチャンスをつくったが、GK西川周作が好守を見せ、ゴールを死守した。

 C大阪が流れを引き寄せ始めたかと思われた矢先、試合を決定づけるプレーが生まれる。前半40分、高萩のスルーパスに反応した清水が山口の前に体を入れ、PA内に切れ込むと、後方から山口に倒され、PKを獲得。家本政明主審は決定的な得点機会の阻止で山口に一発退場を命じた。このPKを佐藤が落ち着いてゴール右上に蹴り込み、3-0。3点リードのうえ、数的優位に立ち、前半を折り返した。

 10人になったC大阪は後半開始からFW柿谷曜一朗に代えてDF山下達也を投入。山下はCBに入り、DF藤本康太が山口の抜けた右SBに入った。

 ハーフタイムの時点で2位仙台は新潟に0-1とリードを許していた。このまま終われば広島の初優勝が決まる状況の中、広島の勢いは後半も止まらない。後半4分、森崎浩の左足ミドルは惜しくもクロスバーを直撃したが、同5分、高萩からのスルーパスを受けた石川がPA内右45度から右足を一閃。豪快にニアサイドを破り、石川のプロ初ゴールで4-0と突き放した。

 後半11分にシンプリシオに代えてMFヘベルチを投入し、交代枠を使い切ったC大阪。同16分、左サイドをオーバーラップした扇原がゴールライン際までえぐって折り返し、MF枝村匠馬がヘディングで1点を返した。

 この失点の直前、青山に代えてFW石原直樹をピッチに送り、最初のカードを切っていた広島はその後も攻撃の手を緩めない。後半26分には石川に代わってDFファン・ソッコがピッチへ。同30分、DF森脇良太が右足で強烈なミドルシュートを放つが、GKキム・ジンヒョンがセーブ。同36分には清水に代えてMF山岸智を投入し、最後のカードを切った。

 最後まで攻撃の姿勢を貫いた広島は5点目こそ奪えなかったが、4-1のまま運命の瞬間を迎える。ロスタイムの4分間が過ぎ、試合終了のホイッスル。その直後に仙台が敗れ、3万2724人が詰めかけた満員の広島ビッグアーチが歓喜に揺れ、知らせを聞いた選手たちはピッチ上で初優勝の喜びを爆発させていた。

(取材・文 西山紘平)

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