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名門G大阪が初のJ2降格、磐田に1-2で敗れる

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[12.1 J1第34節 磐田2-1G大阪 ヤマハ]

 J1は1日に最終節を行い、16位のガンバ大阪はアウェーでジュビロ磐田と対戦した。例年、優勝争いを繰り広げながら今季は残留争いを脱することができなかったG大阪は、前半5分に11試合無得点だったFW前田遼一にゴールを許してしまう。前半は攻撃の機能しなかったG大阪だが、後半8分にMF倉田秋が個人技でゴールをこじ開け、同点に追い付く。しかし、後半41分、MF小林裕紀に強烈なシュートを叩き込まれて万事休す。今季10勝目が、どこまでも遠かったG大阪。20シーズン目にして、初めての降格が決まってしまった。

 磐田は前節の大宮戦(0-2)から、3選手を変更した。左SBはDF山本脩斗に代えて、DF宮崎智彦を起用。前節ではボランチを務めたDF藤田義明がDFチョ・ビョングクに代わり、最終ラインに入った。ボランチにはMF小林裕紀が入り、2列目には途中出場の続いたMF山崎亮平が、5試合ぶりに先発に入った。一方のG大阪は前節のF東京(2-2)戦からの変更は一人。左ヒザを負傷していた加地が、4試合ぶりにスタメンに復帰している。
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 残留のためには勝利以外ないG大阪だが、いきなり試練に直面する。前半5分、右サイドからMF山田大記にクロスを入れられると、中央でDF中澤聡太がクリアー。これがGK藤ヶ谷陽介の逆を突き、自ゴールに転がったところをゴールライン上に戻ったDF加地亮がゴールから掻き出そうとする。しかし、そこに詰めていた前田に当たったボールは、無情にもG大阪ゴールに転がり込んでしまった。

 反撃に出るG大阪は23分、右サイドからDF加地亮がゴール前に上げたクロスがDFの頭を越えてPA内のFWレアンドロに入る。中に切り返してシュートを放ったレアンドロだったが、戻って来たDFにブロックされ、得点を挙げることはできない。同25分にも前を向いたMF家長昭博から、最終ラインの背後を取ろうとしたレアンドロにロングボールが出るが、パスが長くなり、チャンスにはつながらなかった。

 前半29分には再び加地のクロスがゴール前のDFを越えてMF倉田秋の頭に合うが、倉田はこのボールに反応しきれなかった。その直後には磐田が決定機をつくり出す。MF松浦拓弥がドリブル突破からシュートを放つが、ボールはGK藤ヶ谷が両手でしっかりとキャッチした。反撃に出たいG大阪だが、前線にロングボールを入れる単調な攻撃に終始し、ボールを前に運べない。逆に磐田にボールを保持されると、両サイドからクロスを入れられピンチをつくられる。追加点こそ与えなかったが、厳しい内容で前半を折り返した。

 後がなくなったG大阪は、レアンドロにボールを集めて反撃に出る。後半4分にはレアンドロのキープからMF二川孝広がシュートを打つが、DFにブロックされる。その直後にも右サイドの加地からのクロスをレアンドロがヘッドで合わせたが、ボールは力なくGK八田直樹にキャッチされた。

 それでも後半8分、PA内で家長からのパスを受けた倉田が、個人技でPA内を突破。DF3人に囲まれながらも右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。さらに後半15分、倉田が高い位置で相手のボールをカットすると、二川にパス。PA内でボールを受けた二川が右足でシュートを放ったが、GK八田に枠外へと弾き出された。

 ボールを保持するG大阪は、磐田に圧力を掛けて行くが、なかなかゴールをこじ開けることができない。同27分に松波正信監督は二川を下げ、MF佐々木勇人を起用する。一方の磐田も後半31分、松浦を下げてFW金園英学を投入した。同32分、決定機をつくったのはG大阪だった。明神のパスをPA内で受けた家長が左足でシュートを放つが、ボールはGK八田に抑えられる。同34分に磐田は山崎を下げて、MF山本康裕を投入する。

 後半35分、G大阪は左サイドから倉田が上げたクロスをレアンドロがヘッドで合わせる。しかし、ボールはクロスバーに嫌われる。こぼれ球をDF藤春廣輝が合わせたが、シュートは右に外れて行く。同37分には波状攻撃を見せる。レアンドロのキープからオーバーラップした藤春がクロスを入れる。PA内で受けた家長のシュートはDFにブロックされる。そのこぼれ球を佐々木がシュートするが、これも磐田DFが体を張って防ぐ。さらに加地がボールを拾うと、ゴール前に柔らかいクロスボールを入れた。遠藤がゴール前で合わせると、ボールはゴールに吸い込まれた。しかし、遠藤がオフサイドと判定され、得点は認められなかった。

 迎えた後半41分、追加点を挙げたのは磐田だった。G大阪が家長に代えてFW川西翔太を起用した直後だった。PA内にボールを運ばれると、小林裕が右足を振り抜く。これが決まり、2-1と再び磐田がリードした。同40分には倉田を下げて、FWパウリーニョを起用したG大阪だが、同点ゴールを決められない。後半ロスタイムには山田を下げ、MF山本脩斗を入れた磐田の守備を最後まで崩せずに試合は終了。今季14敗目を喫した名門G大阪、タイムアップとともにJ2降格が決まった。

(取材・文 河合拓)

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