[12.1 J1第34節 神戸0-1広島 ホームズ]

　サンフレッチェ広島の日本代表FW佐藤寿人が通算22得点で自身初のJ1得点王に輝いた。2位の鳥栖FW豊田陽平に3得点差の首位で最終節を迎えた佐藤は後半7分、右サイドのMF石川大徳からの折り返しに中央で反応すると、DFにファウルで止められてPKを獲得。だが佐藤は「(森崎)浩司があと1点でシーズン自己ベストということで『蹴りたい?』って聞いたら凄く蹴りたそうだったので。蹴りたいのであれば、蹴ってもらおうかなと思って譲りました」とMF森崎浩司にキッカーの座を譲り、“代役”を務めた森崎浩は左足シュートで今季8得点目となるゴールを決めた。

　すでにチームは優勝を決めている。その中で23得点目を決めて得点王のタイトルをより確実なものにするチャンスだった。だがエースは「ボク個人の記録はどうでもいい」と最後までチームのためにプレー。そして「優勝したことがすべてですし、とにかくきょうは勝ったことが嬉しいです」と笑顔を見せた。この試合を無得点で終えた佐藤。だが、ライバルたちのスコアが伸びず、得点王のタイトルを手にしていた。

　1-0で勝ったチームは有終の美を飾り、19勝7分8敗の成績でJ1王者に立ったシーズンをフィニッシュ。次はクラブW杯2012で世界と対峙する。佐藤は「Jリーグチャンピオンとしてふさわしい戦いをしていきたいですし、最後までてっぺん目指してやっていきたいと思います」と力を込めた。広島は6日のクラブW杯開幕戦でオークランドシティ(オセアニア王者)と対戦。JリーグチャンピオンはJ1得点王とともに、ひとつでも多くの白星を勝ち取る。