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11試合ぶりのゴールに安堵の磐田FW前田「今日は点が欲しかった」

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[12.1 J1第34節 磐田2-1G大阪 ヤマハ]

 貪欲にゴールを目指した結果が、11試合ぶりのゴールを生んだ。どんなに華麗なゴールでも、泥臭いゴールでも、1点は1点。だが、ジュビロ磐田のFW前田遼一は、1日に行われたガンバ大阪戦後のインタビューで、自身の挙げた先制点を振り返ってほしいと言われると「振り返りにくいゴールですが…良かったです」と、苦笑した。

 前半5分、右サイドからMF山田大記が折り返したボールを、DF中澤聡太がクリアーしようとする。このボールがゴールに転がって行ったとき、前田はゴール前に詰めて行った。G大阪のDF加地亮がクリアーしたボールは、前田の足に当たってゴールに決まったのだ。「ラッキーが重なったゴール」と、前田は謙遜したが、チームにとっては大きな意味を持つ1点だった。

 前田自身、試合前からシーズン初ゴールを決めた相手が07年から5年続けてJ2に降格していたことを知っていたという。「チームメイトから聞いたのか、新聞か何かで読んだのか忘れましたが、知っていました」と認めた。今季の初ゴールは第3節のG大阪戦で挙げたゴール。奇しくも最終節で直接対決となり、自らの先制点もあり2-1で勝利。直接、引導を渡す形となった。

 だが、前田はジンクスを6年に伸ばしたことよりも、シーズン最終節でゴールを挙げられたことを喜んだ。「(初ゴールを挙げた相手が)5年連続で降格しているということは気にしていませんでした。相手が残留争いをしているということは関係なしに、今日はゴールが欲しかったですし、チームの勝利に貢献したかった。僕自身が点を取れず、それとともにチームが勝てなくなったので」と、8試合未勝利(2分6敗)だった責任を感じていたことを明かした。

 09年に20得点、10年に17得点を挙げ、2年連続のJリーグ得点王に輝いていたストライカーは、13得点を挙げた今季を総括し「もっと取りたかった」と満足していない様子を見せた。その悔しさを晴らす舞台は、まだある。磐田は天皇杯に勝ち残っており、16日には敵地での鹿島戦に挑む。「今年は上位ではありませんでしたが、鹿島はすごいチームですし、しっかり準備して勝ちたいです」と、昨季のナビスコ杯に続く、カップ戦制覇に気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

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