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矢島の恩返し弾で川崎Fが清水に逆転 今季初の連勝を飾る

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[5.6 J1第10節 清水1-2川崎F アイスタ]

 J1は6日に各地で第10節を行い、清水エスパルス川崎フロンターレと対戦した。前半31分にDF吉田豊のゴールで先制した清水だったが、その後がうまくいかなかった。わずか2分後にMF小林悠に同点ゴールを決められると、後半も押し込まれる展開が続く。その中で後半12分には、かつて清水でプレーしていたFW矢島卓郎の恩返し弾が決まった。これが決勝点となり、2-1で川崎Fが逆転勝利を収め、今季初の連勝を飾っている。

 試合後、決勝点を挙げた矢島は「すごく良いパスが(中村)憲剛さんから来たので、しっかり押し込めて良かったです。僕にとって(今日の試合)は、特別なチーム、特別なスタジアム。フロンターレに来てから、ここでゴールを決めたことがなかったのですが、今日はお世話になった人も来てくれていたと思うので、良かったと思います」と、決勝点を喜んでいる。

 この試合で最初にチャンスをつくったのは、清水だった。前半12分にMF河井陽介が左から切れ込み、シュートを放ったが枠を捉えることはできない。対する川崎Fも、MF中村憲剛のパスから、清水DFラインの裏を狙う回数を増やすが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。

 迎えた前半31分、清水が先制点を挙げる。ボールを運んだ吉田が、右の河井に展開する。河井がゴール前に入れたクロスは、川崎FのGK西部洋平とDFに当たり、PA内まで走っていた吉田の前に転がる。吉田がこれをゴールに流し込み、清水が先制した。

 それでもボールを保持する川崎Fは、慌てることなく2分後に同点ゴールを決める。中盤でボールをつなぎ、最後は中村から最終ラインの裏を取った小林にパスが出ると、小林がDFを振り切って左足でゴールネットを揺らした。2試合連続ゴールを挙げた小林は、その後にもGK林彰洋と1対1になるチャンスを得たが、ここは決めきることはできなかった。

 ハーフタイムに清水のアフシン・ゴトビ監督は「全員が1秒、1m相手より遅れているぞ。怖がってズルズル下がるなよ。もっとアグレッシブに守備に行け! もっとボールを受けて、攻撃しよう! プレーしたい気持ちを出していけ!」と檄を飛ばす。しかし、後半も川崎Fが攻勢の展開は変わらない。

 後半12分には右サイドを中村が突破すると、GK林のニアサイドを抜けたボールを矢島が胸でゴールに押し込み、川崎Fが逆転に成功する。1点を追いかけることになった清水だが、なかなか打開策を見いだせない。後半26分にMF高木順平、同30分には村田和哉と攻撃のカードを次々と切ったゴトビ監督も、流れを変えられなかった。

 しっかりと清水の攻撃を食い止めながら、速攻を狙う川崎Fは、後半40分に矢島を下げて、MFレナトを起用した。清水も同42分にはFW瀬沼優司を投入し、FWバレーとの2トップに布陣を変更する。しかし、縦パスが川崎Fの守備網にかかってしまい、フィニッシュまで持ち込めない。後半ロスタイム3分には、MF山本真希に代えてMF稲本潤一を投入した川崎Fが2-1で逃げ切り、今シーズン初の2連勝を飾っている。試合後。川崎Fの中村は「スタートでつまずいてしまい、サポーターには申し訳なかった。まだ2連勝なので、ここから3、4、5と連勝を続けていきたい」と語り、満足した様子は見せなかった。

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