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G大阪の全3ゴールに絡むも…FW宇佐美「負けに等しい引き分け」

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[7.27 J2第26節 東京V 3-3 G大阪 味スタ]

 強烈な存在感を放ち、結果への飢えも見せた。2年に渡った欧州クラブへの期限付き移籍から、ガンバ大阪に復帰したFW宇佐美貴史のことだ。「先に2点を取られても、逆転できるという意思をチーム全体で持っていたと思う」と、宇佐美は言う。実際、G大阪は3得点を挙げて一時は試合をひっくり返したが、その逆転劇を演出したのが、宇佐美だった。

 復帰戦となった神戸戦で2ゴールを挙げた神童は、この日も得点に絡んだ。2点を追う後半10分にチーム1点目につながる攻撃の起点となり、同19分にはFWパウリーニョのゴールをアシスト。さらに同28分には、ドリブル突破からファウルを受け、MF遠藤保仁のゴールにつながる直接FKを獲得。チームが挙げた全3得点に絡む活躍を見せた。

 パウリーニョへのアシストについても「パウちゃんが良い動き出しをしてくれて、ボールを引き出してくれた。あとはボールの強弱を気にするだけでした。パウちゃんは得点を取っているので、特に自分の手柄ではないかなと思います」と、淡々と振り返る。連勝できなかったという悔しさは、強くあるようだ。

 後半34分、雷雨の影響で試合が55分間中断。1点リードしていたG大阪だったが、後半ロスタイムに相手のパワープレーに屈する形で、同点ゴールを決められてしまった。「あそこまで難しいピッチコンディションは、初めてでしたね。あのピッチ状態でしっかりボールコントロールができる選手はいないと思います。それくらい悪かった。それをみんな意識したうえで、両チーム、ああいう戦い方をしました。向こうはしっかり1点取って、僕たちは最後追い付かれて、勝ち点3を失った形だと思うので、悔しいですね。負けに等しい引き分けだと思う」と、唇を噛んだ。

 ロングボールを放り込んでくる東京Vに対し、前線でボールを収めた宇佐美は、ドリブルで仕掛ける回数が多かった。普通では、あり得ないピッチ状態で、迷いながらのプレーを強いられたことを明かす。

「あのピッチでうちのサッカーをするのは、不可能だと思います。両チーム、前に蹴って、できるだけ前に起点をつくってという意識だったと思う。ところどころ、まだ水たまりになっていないところがあったので。そこを探しながらやっていたのですが、進めば状況も変わるし、リフティングでボールを運ぶことも考えたのですが、ちょっとチームも引いた状態でゴールまで距離があったので。再開した残り10分は、難しかったです」

 結果的に勝ち点2を失った形だが、二度と起こり得ないようなピッチコンディションでの結果を引きずる必要はないだろう。宇佐美自身も「切り替えが大事」と話し、「前回よりもコンディションは上がっているし、フル出場して、つることもなかった。コンディションも1試合やって本当に上がっていると思うので、それをしっかり結果に出していけるようにしたい」と、更なる活躍を誓った。

(取材・文 河合拓)

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