beacon

増嶋、工藤、大谷…負傷者続出の柏がなんとか新潟に追いつき1-1ドロー

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.28 J1第27節 柏1-1新潟 柏]

 J1は28日に各地で第27節を行い、10位柏レイソルはホームの日立柏サッカー場で12位アルビレックス新潟を迎えた。FW川又堅碁の16点目で新潟がリードし前半を折り返すと、後半は柏ペースで試合が進み、同30分にFWクレオが同点弾を決める。その後、攻め合いの様相を見せたが、スコアは動かずに1-1で終了。負傷者続出の柏だが、なんとか追いつき新潟と勝ち点1を分け合った。

 前節・C大阪戦(1-1)から中2日でACL準決勝第1戦・広州恒大戦(1-4)、再び中2日で新潟戦を迎えた柏。過密日程の中で選手を大きく入れ替えるかと思われたが、広州恒大戦からの変更はわずかに2人で、広州恒大戦で出場停止だったMF大谷秀和が復帰し、DF増嶋竜也がC大阪戦に続いて先発した。

 前回の対戦(3-2)で柏に4年ぶりの勝利を収めた新潟は、前々節・大宮戦(1-0)から変わらずの11人。15得点を挙げ得点ランキング7位につけるFW川又堅碁は、2トップの一角に収まった。

 3-4-2-1でスタートした柏は、1トップのFW田中順也にボールを集める。4分に両チーム通じて最初のシュートを放つと、1分後にもDF近藤直也のスルーパスから左足で強烈なシュートを放ったが、GK東口順昭にセーブされた。しかし、ペースをつかんでいた柏をアクシデントが襲う。増嶋が負傷交代となりMF狩野健太がピッチに。開始わずか14分で交代のカードを切ることとなった。

 柏の攻撃をやりすごすと新潟も反撃。前半22分、DF金珍洙がミドルレンジからシュートを放ったが、クロスバーに当たりゴールラインを割ってしまった。同30分にはMF田中亜土夢のクロスを川又が頭で合わせるが、ボールをうまく捉えることはできなかった。迎えた同32分、田中亜がPA内に入れたグラウンダーのクロスをFW岡本英也がダイレクトで落とし、MF成岡翔がシュート。ブロックに入った柏DFに当たってこぼれ球になると、川又が押し込みアウェーの新潟が1点をリードする。

 序盤はパスミスが目立った新潟だったが、リードを奪うと落ち着いたゲーム運びを見せる。一方、柏は疲労の色が見え、動き出しのいい新潟にセカンドボールを支配される時間が続いた。前半42分、DF川口尚紀が成岡とのワンツーで右サイドを突破し、ゴール前にクロスを入れると、岡本が切り返してDFをかわし、シュートを放ったが、GK菅野孝憲が鋭い反応を見せて追加点を防いだ。

 前半終了間際に、柏を再びアクシデントが襲う。FW工藤壮人が新潟DFとの接触から足を痛めてピッチ外へ。そのままピッチサイドで前半終了を迎えた。

 後半開始から柏は工藤に代えてクレオを投入。システムを4-4-2に変更し、一気に攻勢をかける。6分、クレオが頭で落としたボールに田中順が飛び込むが、右足でのシュートはクロスバーを大きく越えていった。

 新潟の後半最初の決定機は13分、ドリブルで駆け上がった金珍洙が柏DFラインの裏へスルーパスを送ると、オフサイドラインギリギリで飛び出した川又がGKと1対1に。GKの動きを見て狙いすましたシュートを放ったが、シュートは無情にもゴールポストを叩き追加点とはならず。2分後には柏にも決定機。田中順のクロスからクレオがフリーで右足を振り抜くが、クロスバーを直撃し1点が遠い。

 クレオが入ったことで前線でボールが収まり、支配率を上げて攻勢をかける柏だったが、三度アクシデントに見舞われる。主将の大谷がタンカで運び出され、そのままMF茨田陽生と交代した。

 予期せぬ交代が続いた柏だったが勢いは止まらない。そして、後半30分、ため息が続いていた柏サポーターが歓喜に包まれる。ジョルジ・ワグネルのシュートをクレオが足先でコースを変えて、ついに柏が同点に追いつく。

 同点に追いつかれた新潟は最後の交代枠を使って、岡本に代えてFW鈴木武蔵を入れた。すると、後半43分には途中出場のMF藤田征也のクロスを、鈴木武がダイレクトでシュートを放ったが、GK菅野がゴールライン上でセーブし勝ち越し点を許さない。
 
 終盤は両チームともにゴール前のシーンを多くつくったが、決め切ることができず1-1で終了。連戦の中で勝ち点1を手にした柏だが、1か月ぶりの勝利をサポーターに贈ることはできなかった。追いつかれてしまった新潟だが、敵地での連敗を「3」で止め、勝ち点を37に伸ばした。

(取材・文 奥山典幸)

▼関連リンク
J1第27節LIVE速報

TOP