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鹿島からリーグ戦7試合ぶり勝利のC大阪ポポヴィッチ監督「成熟した姿を見せてくれた」

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[3.23 J1第4節 鹿島0-2C大阪 カシマ]

 セレッソ大阪にとって、鹿島アントラーズは苦手な相手だった。昨年のリーグ杯では2-1で勝利していたが、リーグ戦では過去6試合連続で敗れていた。「今季、ここまで鹿島は3連勝で無失点。それは私たちにとって、良い刺激になり、モチベーションにもなりました。また、C大阪はリーグ戦で鹿島に6連敗を喫していたこともあって、この試合に賭ける思いは強かったです」と、ランコ・ポポヴィッチ監督は、これまでのデータが選手たちの奮起につながったと話す。

 実際、立ち上がりからC大阪は鹿島に対して厳しい寄せを見せ、自由にプレーさせなかった。「この試合に賭ける思い、覚悟をしっかりと立ち上がりからプレーで見せられた。立ち上がりの内容は良かったと思います」と、ポポヴィッチ監督は評価する。

 前半19分にはMF長谷川アーリアジャスールが先制点を挙げると、その後は鹿島に押し込まれた。それでも、全員でゴールを守ると、後半41分にはFWフォルランのJ初ゴールも飛び出した。

「非常に安定感がある戦いを後半にできました。成熟した姿、ゲームの進め方を見せてくれました。全員が一つになって、全員で戦った。それがこういう結果につながったと思いますし、私たちがコントロールできた後半だったと思います」

 指揮官は鹿島の攻撃を凌いだだけでなく、多くの選手たちが攻撃の意思を示せたことに満足していた。「粘り強い守備もできましたが、相手にとって危険な攻撃を繰り返せていたと思います。その攻撃に関しても一人ではなく、複数の選手が関わったコンビネーション、シンクロしてゴールに向かえていました。しかも、そこからゴールをできたことは、評価できると思います。うちの攻撃陣は、ボールを持ったときはアグレッシブにプレーしました。相手にとって危険なプレー、有効なプレーが、今日はできていたと思います」と、チームの仕上がりに手ごたえを感じていた。

 公式戦2試合連続ゴールを決めたフォルランについても「ディエゴがチームに合流して、まだ1か月と10日です。ただ、今日見てもらってわかるように、周囲の選手との絡みが増えて、コンビネーションも試合ごとに高まっていることは間違いありません。彼のコンディションも上がっています」と、状態が良くなっていることを認める。

 ただし、もっとも重要なのは、フォルランがゴールを決めたことではないと強調した。「ゴールを決めた選手だけがフォーカスされるべきではなく、その前にスペースをつくった動き、おとりになった動き、全員が連動してゴールを陥れる動きができたかどうかが、私のなかでの評価の対象です。ディエゴの攻撃面だけではなく、34歳でありながら、前から厳しく守備をしている姿。(柿谷)曜一朗に関しても、試合終盤の疲労がたまっている状態でも、泥臭くボールを奪う。(杉本)健勇も切り替えてすぐにボールを奪い返していました。彼らは攻撃だけではなく、守備でもいいものを見せてくれたと思います」と、攻守において全員が求めるものを発揮してくれたことが重要と言い、チームの仕上がりに胸を張った。

(取材・文 河合拓)

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